本、漫画、その他

妖怪探偵百目 2廃墟を満たす禍/3百鬼の楽師(上田早夕里/光文社文庫)

1の『朱塗の街』が面白かったので、早速続きに突入。 2&3は1でその力の片鱗を見せ、ラスボスになることを予感させた「濁」と人間・妖怪との闘いを描いた長編になっている。と言っても一致団結して共同戦線を張って、というわけではない。濁と強い因縁が…

妖怪探偵・百目 1 朱塗の街(上田早夕里/光文社文庫)

十数年前に大量の妖怪が突然出現し、今では人間と妖怪が共存する奇妙な街。元脳科学者の相良邦雄は、ある事件をきっかけに外の世界で居場所を失ってこの街に住み着き、絶世の美貌と体中を覆う百の目(普段は通常の2つ以外はちゃんと隠している)を持つ妖怪…

ハムレット殺人事件(芦原すなお/東京創元社)

私立探偵・山浦歩は学生時代に想いを寄せていた友人・夏日薫の夢を頻繁に見るようになる。かつて歩を演劇サークルに引き込んだ女優であり演出家であり、プロデューサーでもあった美少女。留学すると言って歩の前から姿を消した彼女は、今は大女優となってい…

葬儀を終えて(アガサ・クリスティ/ハヤカワ文庫)

なんとなく、クリスティ。 というわけで図書館から借りて来た一冊。 病気で長くないと言われていたとはいえ、思いがけず早くに亡くなった長兄リチャードの葬儀の直後、末妹コーラが口にした「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」という無邪気な言葉…

階級名に見るネロス帝国人事の基本理念(『超人機メタルダー』)

何の気なしにyou tubeを覗いていたら、東映公式に『超人機メタルダー』の序盤が何話かあったので久しぶりに見てしまいました。やっぱり面白い!特に敵方のネロス帝国は尋常でないワクワク感がありますね。 凱聖(がいせい)、豪将(ごうしょう)、暴魂(ぼう…

移動都市(フィリップ・リーヴ/創元SF文庫)

60分戦争によって旧時代の文明が滅びてから遥か後の時代。人類の多くは天変地異を避けてキャタピラで地上を動き回る「移動都市」に住み、地上での活動を忌避するようになっていた。都市同士は自らより小さい都市、弱い都市を狩り、解体し呑み込んで活力を…

The Horse and his Boy(『馬と少年』(ナルニア国ものがたり5)/C.S.ルイス)を読み返して思い出したことなど

1年半ほど前から何とか続いている「めざせ100万語!多読で学ぶSSS英語学習法」で久しぶりに再読(って言っても、原書は初めて)。 うーんやっぱり面白い!アラビス可愛い ♪ 私の英語力だとある程度長さのある話を読むのはかなり疲れるので、どうしても1…

虚構推理(城平京/講談社タイガ)

「TVアニメ化決定!!」ということで派手にディスプレイされていた一冊。チラチラと裏表紙や巻末の宣伝ページを見て、「妖怪の探偵(妖怪が探偵する、じゃなく、妖怪のための探偵)モノ」というのと「虚構」というのにちょっとそそられて手を伸ばしてしまっ…

こうして誰もいなくなった(有栖川有栖/角川書店)

デビュー三十周年となる有栖川有栖の中短編集。「有栖川小説の見本市」(前口上)と謳っているだけあって、ちょっと笑えるショートストーリーからホラー気味のもの、ファンタジーから活劇、北村薫ばりの日常の謎から孤島の連続殺人まで、多彩なラインナップ…

竜のグリオールに絵を描いた男(ルーシャス・シェパード/竹書房文庫)

表題作「竜のグリオールに絵を描いた男」(「竜のグリオールを絵に描いた男」ではない。お間違いなく!)ほか、心臓の止まった巨竜・グリオールに翻弄される人々を描いたファンタジー小説集。パラレルワールドらしく1853年という年代や現実世界の固有名詞も…

映画『翔んで埼玉』を観てしまった…

数年前に魔夜峰央の原作が本屋に並んだときには手に取らなかったのですが、1970年代の少女漫画のような宣伝ポスターを見るとやっぱり気になって、久しぶりに映画館へ。 埼玉県民が東京都民から酷い差別を受けていた時代。埼玉県民は東京とは隔絶した貧しい生…

古いシルクハットから出た話(アヴィグドル・ダガン/成文社)

図書館のチェコ文学の棚でふと手にとって開いてみた1ページ目に「東京の高島屋でそれ(シルクハット)を買った」とあって、どういうこと??と中も良く見ず借りてきた本です…が面白かった! 語り手である「私」は、今は引退した外交官。シルクハットは毎年…

「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」(国立新美術館)

即位30周年記念で入場料無料となる今日を狙って行ってきました。イケムラレイコについては先日ネットでこの企画展を知るまでは何ひとつ知らなかったのですが、行ってみてよかった… テラコッタ作品群。写真撮影OKのコーナーです。 テラコッタ作品は他のコ…

『魔眼の匣の殺人』(今村昌弘/東京創元社)

恥ずかしながらやっぱり待ちに待っていた一冊。一気に読んでしまった。 恐怖の夏合宿から数か月後の11月の終わり。班目機関の手がかりを追って山奥の寒村を訪れた比留子と葉村だったが、なぜか村はもぬけの殻。曰くありげな男女の高校生2人連れ(カップル…

『おばあさん』(ネムツォヴァ/岩波少年文庫)

夫と早くに死に別れ、子供たちとも別れて暮らしていた「おばあさん」は、故郷の近くに居を移すことになった長女・プロシェク夫人に乞われ、娘やまだ見ぬ孫たちのもとへと越してくる。孫たちは、不思議でいっぱい(服装も持ち物も頭の中にも)のおばあさんに…

『化物語(バケモノガタリ)』(原作:西尾維新 漫画:大暮維人/講談社)

週刊少年マガジン連載中のファンタジー(美少女憑き物落とし)漫画です。いや~久しぶりにマガジンを手に取ったら、話はともかく絵があまりに(いい意味で)浮いて目立っていたので吸い寄せられてしまった…大暮維人の圧倒的な画力(女の子の可愛さ&アクショ…

『アンティゴネー』(ソポクレース/岩波文庫)

『アンティゴネー』レビュー。前日談とあらすじ、感想。

『シャーロック・ホームズ 絹の家』(アンソニー・ホロヴィッツ/角川書店)

『カササギ殺人事件』で初めて知ったホロヴィッツをしばらく前に図書館で発見。クリスティオマージュと言われるカササギに対して、こちらはホームズパスティーシュである。なんでも、「コナン・ドイル財団から認定された新しいホームズ長篇」なのだそうだ。…

『親指のうずき』(アガサ・クリスティ/ハヤカワ文庫)

何か息抜きに楽しく読める本を…と図書館で物色していて目に留まったトミー&タペンスシリーズの長編第3作。トミー&タペンスは、諜報機関ものが苦手な私は短編集の『ふたりで探偵を』は楽しく読んだものの、長編はスルーしてしまっていたのですが、裏表紙に…

魔術師ペンリック(L.M.ビジョルド/創元推理文庫)

ビジョルドの異世界ファンタジー「五神教」シリーズ久々の一冊。 何気ない親切心から生まれた偶然に導かれ、強大な「魔」をその身に宿すことになった小国の貧乏貴族の三男坊ペンリックが、合計12におよぶ以前の宿主たちの個性を併せ持つ彼女(ら)デズデモ…

聊斎志異(上・下)(蒲松齢/岩波文庫)

諸星大二郎の『諸怪志異』シリーズを読み返していて、ふと読みたくなって借りてきた(ただし『諸怪志異』は作者が聊斎志異のような体裁の中国志怪の本を作ってみたい、と考えて中国古典を基に創作した話であって、聊斎志異そのもののコミック化というわけで…

思い違いの法則(レイ・ハーバート/インターシフト)

「じぶんの脳にだまされない20の法則」という副題がついている。 今学期選択している心理学のテキストを読んでいて、もう少し勉強してみたいなと思った「ヒューリスティック」についての本です。 ヒューリスティックとは「認知における経験則」のことで、…

堆塵館(エドワード・ケアリー/東京創元社)

アイアマンガー三部作の第1部。 と言っても一区切りついた「第1部 完」というより、「どうなっちゃうの~!?」という『スターウォーズ帝国の逆襲』に近い読後感です。 ヴィクトリア女王時代のロンドン郊外にそびえたつゴミの山とゴミの山から巨万の富を築…

屍人荘の殺人(今村昌弘/東京創元社)

第27回鮎川哲也賞受賞。最近は受賞作をすぐ買うということもなくなっているのですが、巷でも何やら凄いという評判もあって購入。いやー確かにこれは凄い。一気に読んだ。 予想外の事態によって脱出不可能な空間の中に閉じ込められた一団の人々の中で次々と…

紳士と猟犬(M・J・カーター/ハヤカワ文庫)

19世紀のインドを舞台にした歴史ミステリ。といってもミステリ色はそれほど強くない、冒険小説です。 本屋で偶然手に取って、カバー見返しの登場人物紹介に<イギリス東インド会社>の下に探偵だの軍人だの役人だの、同社所属のイスラム教徒だのが列挙されて…

蟇屋敷の殺人(甲賀三郎/河出文庫)

戦前の作品です。 ある朝、東京丸の内の路上に駐車してあった車から、男の死体が発見された。切断された首が切り口の上に載っている状態で発見されたその死体は、乗っていた車や衣服、持ち物、顔だちからも有名な資産家・熊丸猛かと思われたが、屋敷の捜査を…

新編みなかみ紀行(若山牧水/岩波文庫)

歌人であるということぐらいしか知らなかった若山牧水の紀行文集。 佐久から小諸、嬬恋、草津、花敷温泉、月夜野村と群馬県を横断して利根川の源流に辿り着く表題作のほか、津軽や霞ヶ浦、信濃や熊野などへの紀行文が9編、詩2編、そして静岡県の松原伐採計…

ケルン市警オド(青池保子/秋田書店プリンセスコミックス)

去年、いつも行かない本屋で偶然1巻を見つけてから、ずっと待っていた2巻がついに発売!! 『修道士ファルコ』(秋田書店)のスピンオフ作品です(ファルコ自体も14世紀スペインを舞台にした『アルカサル―王城』のスピンオフだから、スピンオフのスピン…

オッタ―モール氏の手(トーマス・バーク/『黄金の十二』ハヤカワ・ポケット・ミステリ所収)

有栖川有栖のミステリ・エッセイ集『ミステリ国の人々』での紹介文が気になって、図書館で借りてきました。1931年に発表された短編ですが、ホラーまではいかないか、サイコ・スリラー…ということになるのかな。犯人捜し(いやもちろん、オッタ―モール氏なわ…

シベリア・神話の旅(齋藤君子/三弥井書店)

「スグ・エエズィは四月の末に川に張りつめた氷を割りながらプィザス川を遡っていく。そして川の源まで行くと、今度は川を下る。すると、流氷が始まる。 スグ・エエズィは大きな氷の上に乗って川を下りながら、白銀に輝く長い髪を梳かす。それはそれは美しい…

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