本、漫画、その他
主君織田信長からのいじめは日頃から酷いものだったが、中でも徳川家康接待の際の不手際をはげしく罵倒され、折檻されたことは耐えがたく……本能寺の変で織田信長を討った明智光秀が山崎の戦いで敗走する途中、落ち武者狩りにあって殺害された、暫くののち。…
※末尾部分で『ひらいたトランプ』についても若干のネタバレがあります。ご注意ください。 引っ越しやら何やらでクリスティがごっそり行方不明になってしまって以来、ずっと手元になかったけどつい先日、本屋で赤い背表紙が並んでいるのを見てたら何となく読…
数日前のことになりますが、閉幕が近くなってきた『空間と作品』に行ってきました。 今となっては美術館で並んでいるのを見るだけの作品が、生み出された当時はどんな空間で、またどんな人間関係において享受されてきたのかなど、作品を取り巻く周辺にもスポ…
江戸時代末期、老中水野忠邦のもと、天保の改革の締め付けも厳しい江戸の町。 老舗の薬種問屋から火が出て、焼け跡から番頭と若主人の遺体が発見された。両方とも他殺であることがすぐに明らかになる。放火殺人だとすれば下手人は?そして目的は?噂のとおり…
オーストラリアの地方都市にほど近い開拓地で暮らす貧しいスコットランド移民の子・スコティ少年の元から、子馬タフが消えた。 小児麻痺を患い、下半身不随となった少女ジョジーは、富裕な牧場主である父が所有する地所からきかん気な野生の子馬を選び出して…
銀行強盗が奪っていったのは、その場にいた13人それぞれの、「今持っているものの中で一番思い入れのある物」。母からもらった腕時計、息子たちの写真、突き返された婚約指輪、昇進直後の給与明細etc。そして「僕」の妻・ステイシーもその場に居合わせ、電…
今まで参考書や問題集にあった一部引用などを断片的にしか読んでなくて、彰子の皇子出産部分と有名な才女批評部分がどう繋がるのかわからなかったけど、通読して解説も読んでみて、初めて理解できた。皇子誕生にまつわるあれこれを記録した祝賀的部分は主家…
大河ドラマ「光る君へ」の影響で、平安期の古典がちょっとマイブーム。というわけで、手に取ったのは平安時代末期に成立したとされる説話集「今昔物語集」。本書は抄訳ですが、新訳だけあって訳文は読みやすいし、注釈も時として親切すぎるほどたくさんつい…
10話を見る前に、先週の最大の疑問について、自分なりに考えた結論をまとめておきます。いろいろ考えてるうちに直前になっちゃった。 1 2~3話の時点で既に、直秀らは放免の、道長は検非違使の上役の恨みや反感を買っている 2 指示(依頼)の意図が理解…
ますます面白かった「「光る君へ」第6回。見どころ満載な中でもとりわけインパクトが強かったのが道隆主催の「漢詩の会」でありました。 というわけで、今更ながら個人的な注目ポイントと感想です。 1 発端 ご注進 意外とやるな道隆 共同経営者貴子さま 漢…
2月11日の閉幕も間近、駆け込みで行ってきました。松岡美術館創設者である松岡清次郎氏が70代後半に入った昭和40年代後半以降、公募展等で発表された作品(つまり、その時点で世に出たばかりの作品)を収集し始めた、その成果ということで、昭和後半~終盤…
図書館で背表紙を物色していて、奇妙なタイトルに惹かれて手に取った1冊。大当たり。 主人公ルークはハーヴァードは出たものの、今はしがない三流大学の教授。20年前家族を襲った惨劇で麻痺した心を抱え、若き日の野望とはかけ離れた鬱屈した日々を送る彼の…
うぉー面白れー!ずっと積読だったのに、手をつけたら一気に読んじゃった。 映像化企画が持ち上がるたび関係者が死亡し何度もお蔵入りになっている「夜果つるところ」。主人公は世間から隔絶された遊郭と思しき館で、いわくありげな女たちを母「たち」として…
(ネタバレ注意)『ナイフをひねれば』(アンソニー・ホロヴィッツ/創元推理文庫)のレビューではありませんが、本書の内容に触れています。未読の方は本記事を読まない方がいいです。ご注意ください。 他にもいろいろ順番待ちの本があったのと、なによりホ…
今日は以前から気になっていた「杉本博司 本歌取り 東下り」を観に、渋谷区松涛美術館へ。今年の6月にエドワード・ゴーリー展で来たのが初めてだったから、今日で2度目の訪問ということになります。 この作品と「本歌取り」というのに惹かれてやってきまし…
2020年6月から2023年3月まで連載されたエッセイを単行本にとりまとめたもので「山庭の自然誌」という副題がついているのでひっそりとした山の生活のよろこびを描いたものと思ってしまいそうになるが、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻等の社会・世界情勢、…
ついに決着した最強対決。過去設定の応用問題が散りばめられたバトルについての感想とか、五条と宿儺の最強シンパシーってどうなのよとか、いろいろあるけどひとまずおいといて。 冒頭で五条は「俺の妄想であってくれよ」と言い、夏油は どっちだっていいじ…
ホームズがベーカー街で活躍していたのと同時代、イギリスの統治下にある香港を舞台に、清の満州八旗の名門出身の名探偵・福邇(フーアル)と、漢人の間借り人で探偵活動の助手をつとめる医師・華笙(ホアション)のコンビの活躍を描く、名探偵ホームズのパ…
6月から使い始めた「東京・ミュージアムぐるっとパス」(2500円)。美術館、博物館など101の施設(ほとんどは東京ですが千葉埼玉神奈川も幾つかある)の入場券又は割引券として使える(ただし各施設1回限り)という面白い企画券です。 初回使用時から2カ…
せっかく入った「友の会」を活用すべく、トーハク(東京国立博物館)をぶらぶらしてたら、浮世絵のコーナーで蛍狩りの絵が並んでいた。 鈴木春信 夜の暗さが目立ち、人物もふたりだけなのが淋しくもロマンチックな雰囲気を醸し出してる。 鳥文斎栄之 こちら…
昨年出たスクエニの実写推理アドベンチャーゲームのスマホ版です。面白かった~!! 以前見かけて気になっていたけど、「実写ゲームはちょっと…」とスルーしたまま忘れていたのですが、「本所七不思議」(これも凄く面白かった!)とのコラボで思い出し、「…
1960年代イギリスの本格ミステリ。裏表紙の紹介文によると、作者ディヴァインは「クリスティが絶賛した技巧派」とのことだが、確かに人間関係や、伏線を張るテクニックなどはクリスティを髣髴とさせるところがある(ネタバレになりかねないので迂闊なことは…
ほとんど読んだことがなかった青崎有吾ですが、表紙裏の概要でJR福知山線脱線事故を題材にした作品、全面ガラス張りの屋敷でおきた不可能殺人、最強の姉妹を追うロードノベル…というわけわからない感じのラインナップに惹かれて購入。 いやー買ってみてよ…
ギックリ腰で急遽延期となった大河ドラマ館訪問。9日閉館の直前になってしまいましたが、ようやく行ってきました。 やっぱり一番おおーって思ったのはドラマで出てきた衣装や小道具の展示ですね。本物が展示されてる美術館や博物館とは違って、ほとんどすべ…
土曜日。江戸川区球場の試合が思ったより早く終わったので、Twitterでみかけて気になっていた写真展を観に、目黒区美術館に寄って来ました。寄って、というほど近いわけでもないし迷ったけど、もうこの3連休で終わっちゃうし、この秋は思い立ったら行く!と…
宣伝でチラッと見かけた裸婦像がなぜか頭に残っていて、閉幕直前(明日10/2まで!)の『シアトル→パリ 田中保とその時代』(埼玉県立近代美術館)に行って来ました。 県立近代美術館のある北浦和公園は北浦和駅西口からすぐ。私がよく行く大宮公園や別所沼公…
前々から気になっていたけど手を出せてなかった『チ。』を一気読み。凄く面白かったし、印象的なセリフや場面も挙げたらキリがないくらいですが、それとは別に、最後に残った謎がひとつ。 それはもちろん、アルベルトのエピソードで登場した青年ラファウであ…
6月26日放映の第25話でついに、頼朝が落馬するという有名な場面を迎えました。史実では落馬から死去まで半月ほどあったということですが、その間に意識を取り戻したという話は聞かないので、実質これで退場ということになるのでしょう。 戦闘はもちろん重要…
まん防も解除、真冬の寒さも去って、春へと本格始動。もうすぐ終わっちゃう展がいくつもあるし、ワクチン接種やら病院通いやらもあるし、4月からは都大会も始まっちゃうし…スケジューリングが難しいのもちょっと嬉しい、年度の代わり目。まずは一番気になっ…
19世紀初頭、李氏朝鮮後期の天主教(キリスト教)迫害を描いた歴史小説。何かアジアの文学を読みたいな、と図書館の書棚を眺めていて目について、途中まで読んだところでAmazonでポチってしまいました。 信仰を隠さねばならない息苦しい生活、横行する腐敗…