以前から気になっていた「現代鳥獣戯画展」を観に、中目黒の郷さくら美術館に行ってきました。

現代日本画専門の美術館で、展覧会のほか、画材の展示スペースや初心者向けキットみたいのもあったりする。
今回の「現代鳥獣戯画展」は、現代的な視点で描いた様々な動物画、ということなのですが、目玉はやはりタイトルのとおり、竹内浩一の戯画連作5点。どれもユーモアあふれる中にも繊細な美しさがあって良いなと思いましたが(写真だとボヤけちゃってスミマセン)、一番好きだったのは
「戯画雨中鯰遊図」(竹内浩一)

激しく雨が降り出して慌てて逃げ出す兎と、スッポンを囲んで水を得た魚のように(?)はしゃぐ鯰とスッポンの図。
この嬉しそうな顔!

水面を雨が叩くとき、魚たちはどういうふうに感じているんだろうか?と、ふと思った。
「戯画釣名人」(竹内浩一) これも好き。

実際に見た光景に着想を得た作品だそうで、釣人を猿に、画面左に尻だけ馬を出演させている。猿の足元にはみ出た魚が跳ねてるのに取りに行かないのは遠慮してるのか、もっとデカいのを期待してるのか。おこぼれを狙うアオサギが釣人の周りにたむろするというのはよくあることのようです。
「Monkey Race」(平子真理)
※子猿たちによる駝鳥騎乗レースの図。本当は横1枚で、上(右)がスタート前(一番左の枝持った奴が合図役)

下(左)がゴール手前。

レースの躍動感と、猿たち駝鳥たちのてんやわんやぶりが楽しい。
「てめーらいい加減にせーよ!」

怖くて縮こまってる子を諭すように顔を近づけるダチョウ…の首に別の子がすがりつく

ゴール目前!完全に調子に乗ってる…

こっちは落っこちそうになったのか、首つかまれたダチョウさんがグエエッてなってる

「白秋 月に白狐飛ぶ」(佐藤蜃)

ファンタジーの挿絵のような物語性溢れる作品。ちょっと琳派的(というのか?)なデザイン性も感じる。
狐の眼がイイ

「聖宿」(西田俊英)

神々しさに満ちた聖牛家族。なんだけど、目を伏せてるの(奥)と茫洋とした半開き(手前)の親たちとは対照的に、強い眼差しをこちらに向ける仔牛にドキリとさせられる。
「旅にでるものたち―夜桜Leopardー」(絹谷香菜子)

夜闇の中、散り敷く桜の道を歩む一頭の豹。見据えるのは…

瞳の中の世界に吸い込まれ、彷徨い歩いてみたくなる。
展示点数はそれほど多くありませんが、魅力的な作品が多く、見応えある展覧会でした。ご興味のある方は是非どうぞ。11月24日までです。