鳥類学は、あなたのお役に立てますか?(川上和人/新潮社)

鳥類学者・川上和人の抱腹絶倒の鳥類学エッセイ。鳥類の生態・保全の研究者である著者の主なフィールドは小笠原諸島で、フィールドワークの苦労話(無人島に外来生物を持ち込まないために最後は荷物背負って泳いで上陸するとか…)とそこで発見した意外な事実、学会や目録編纂のエピソード、種々のトピックを取り挙げての考察など、肩肘はらずに楽しめる。
もちろんその一方で、生態系保全の必要性とその難しさも繰り返し説かれていて、鳥への愛と責任感もひしひしと伝わってくる。

ある外来生物を除去したらそれに圧迫されていた別の外来生物が隆盛してしまって在来生物を更に圧迫してしまった事例(除去する順番が大切)や、シマハヤブサの絶命宣言に携わったエピソードなどが印象的だった。

 

ところで1973生の著者はかなりのオタクらしく、オタクギャグがこれでもかと散りばめられているのも特徴。比較的年齢の近い私は(わからんのもありつつ)楽しめたけど、ガンダムやスターウォーズはまだしも、サイコガンやマンモス西や千年女王なんて若い読者にわかるのだろうか??

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