この春は道端の花に目が行くことが多かったけど、そういえばいつも見てるのに名前知らない花って結構あるよな~と気づいて、幾つか気になったのを調べてみました。
※同定には、『花と葉で見わける野草』(亀田龍吉・有沢重雄著/近田文弘監修、2010年、小学館)を参考にしています。
少し白濁したような気怠げなオレンジ色のせいか、はたまた見るからにケシっぽい形のせいか、危険な雰囲気を漂わせる、ナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)。
もっとも、麻薬成分はないそうです*1。名前の由来はご覧のとおり、実が細長いからですかね。
特定外来種ではないものの、他種への悪影響が心配される外来種で、茎や葉の汁はかぶれを引きおこすらしく、検索するといろんなところで注意喚起がなされている。
<例>
マツヨイグサっぽい濃い牡丹色の小さな花は北アメリカ原産のユウゲショウ(夕化粧)。マツヨイグサ属。なぜに夕化粧?と思ったら、夕方に開花するんですと*2。でも御覧の通り、昼間も全開である。
こちらもマツヨイグサ属、ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)。ユウゲショウよりだいぶ大きく、直径5㎝くらいあるかな。花びらの柔らかい曲線や、縁に行くにしたがってピンクが濃くなっていく色合いの変化が美しい。これも北アメリカ原産で、元々は観賞用として持ち込まれたもの*3。
道路わきの縁石などでよく見かけるヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)。これも中国南部~ヒマラヤ原産の帰化植物*4。
トンガリはまだ蕾。よくよく見ると開花しているのもちらほら見える。そういや開花し切った状態って、あまり記憶にないなあ…
これはアメリカフウロ(亜米利加風露)。色も地味であまり目立たない小さな花だけど、ホトケノザやヒメオドリコソウを観察するときによく一緒に咲いていて気になっていた(花期は始まりも終わりも少し遅い感じなのかな)。細長くて上に白ポチがついているのは果実。
名前のみ聞くゲンノショウコと同じフウロソウ属の帰化植物だが、ゲンノショウコより花びらが細く、葉の切れ込みが激しい(ゲンノショウコも深く裂けているけど*5)。
並べてみたら全部帰化植物…複雑な感じもしますが、オオイヌノフグリもシロツメクサも外来種なんだし、生命力旺盛な種がいったん広まったら、定着していくことは避けられないのでしょう。なんとか既存の種たちと共存していって欲しいなと思います。