気付けば4月も半ばを過ぎた16日。
この時期に来ることはあまりなかったけど
来てみましたよ彩湖(さいこ)
予想通り、すっかり淋しくなった湖面(厳密には人工の池だそうだが彩「湖」と自称してるんだから湖面でいいだろう)
キンクロハジロもホシハジロもほぼ姿を消し、カンムリカイツブリやユリカモメの姿もない。
彩湖に沿って横長に伸びる公園をぶらついていると、ひと気のない広場に出た。桜と背後の樹木の感じが里山ぽくて凄くイイ。
石かと思ったら雛だった。健やかに育ってください
斬新でカワイイが、遊具としては…?
隣はサバンナなのか牧場なのかジャングルなのかよくわからない感じになっていた。
かつて戸田ヶ原に生息していたトダスゲを復活させるべく、この辺りは保護地区になっている。案内板によれば穂が直立するのが特徴だそうなのだが、ちょっと早過ぎたのか、穂らしきものはまだ見えなかった。
チョウジソウ。色も形もとてもクール
これが、オドリコソウか!
なるほどヒメオドリコソウと似てる(新参外来種なのだからヒメオドリコソウが似てる、と言うべきか)が、でかい。丈も花も3倍以上はありそうだ。確かに、これなら人形ぐらいのサイズはあるから、ぱっと見に踊り子っぽく見える。
道ばたの半日陰や、やぶなどに群生するそうで*1、どこにでも生えるヒメオドリコソウやホトケノザに比べると、町で暮らす人間が見る機会は少ない。かく言う私もこれが初めて。
ご覧の通り、アリがすっぽり入れるサイズ。
それにしてもこんなに集まって来てるのは、相当惹かれるものがあるのだろうか。同じオドリコソウ属のホトケノザやヒメオドリコソウは種子にエライオソームというアリが好む物質がくっついているという話なのだが*2*3、オドリコソウもそうなのだろうか。この盛況ぶりを見ると、おそらく…
隣の田島ヶ原サクラソウ自生地ほどではないが、ここもサクラソウが自生している。
土壌などの環境条件が変わり、以前ほどサクラソウの生育に適さなくなってしまったと聞くが、こうして保護することで再生していければいいな。
アメリカスミレサイシン。ネームプレートを見て何?と思ってしまったが、
スミレの一種にスミレサイシンというのがあるそうで、つまりアメリカスミレ/サイシンではなくアメリカ/スミレサイシン。スミレサイシンには日本固有種もあるようだけど、これはもちろん外来種である。繁殖力が強く、サクラソウにも害を及ぼすということで除去対象になっているのだそうだ。ご覧の通りとても可愛い花なので、説明板にも複雑な心境がにじみ出ていた。
保護地区を抜けて、鑑賞池へ。こちらも水面はすっかり閑散としてしまっている
ヤドリギ。冬場に比べてくたびれた感じを受けるのは
若さにゃ敵わんてことか
誰もいないベンチにひっくり返って空を見上げる。空は、空だなあ…
ということで、帰り道。
白いことだけは知っていた。からたちの白い白い花。今の時期に咲くんだね
菜の花一色の土手(荒川支流・鴨川)
ん?カイツブリ…?いや、なんか細長いぞ
おお、カンムリカイツブリ(夏羽)さん!初めて見た!
モノクロだった体色は赤茶みを帯びてカイツブリと似た色合いなり、冠羽も伸びてワイルドな感じに。
<冬羽 >
帰り際に偶然見られたのはラッキーだったけど、ひとりでまだこんなところにいていいのか?とちょっと心配になる。明日は夏日の予報なんだぞー。
まあ見えないだけで遅出の仲間がその辺にいるのかもしれないけど。
ともあれ、お元気で。
*1:亀田龍吉・有沢重雄著/近田文弘監修、花と葉で見わける野草、2010年、小学館、P76
*2:日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 一般講演(ポスター発表) PA2-156 種子散布共生系の維持メカニズム:報酬のタダ食いに対する種子表面物質を用いた補償
*3: