メタセコイアとラクウショウ in winter

先日、大宮の氷川神社に初詣に行った帰りにふらりと立ち寄った大宮公園ボート池。

池のほとりに立つのはアケボノスギ、またの名をメタセコイア。

春から初夏にかけての新緑、赤褐色の秋の紅葉もそれぞれに美しいメタセコイアも、今は辛うじて所々に枯葉がぶら下がっているのみ。……って、あれ?

 

枯葉じゃない。たわわに実る…米?

 

何じゃこのつぶつぶは。触ってみると見た目通り固く、乾いている。でも種じゃないよな…メタセコイアの実は松ぼっくりほど大きくないけど丸っこい塊だったはず。

帰って調べてみると、「雄花序は黄褐色でたれ下がる」「2~3月開花」とのことなので、どうやら雄花の房であるらしい。*1

 

しかし……冬場だって、メタセコイアのある別所沼とか何度も行ってるけど、こんなの全然記憶にないぞ。

 

 

というわけで、日を改めて、やってきました別所沼。

ただしこの沼は、メタセコイアとラクウショウが混在している。感覚的にはむしろラクウショウの方が多い感じだから、まずはメタセコイアを探すところから。

 

これはラクウショウ。殻にひびが入っている。

ラクウショウの方は、下に伸びる枝先に実がなっていて目立つのでわかりやすいのですが、メタセコイアの方は花も実も低い位置にいはないようで、なかなか見つけられず、園内をぐるぐる。

ぐーるぐる。

 

 

おっ、あった!隣り合うメタセコイアとラクウショウ。

向かって右側、枝先に丸い実がついてるのがラクウショウ。てっぺんだけでなく、下の方にも実がなっています。左側、上の方の枝になんか茶色っぽいのが垂れ下がっているのがメタセコイアです。

 

メタセコイアの梢をズームしてみると、溝だかしわだかが横縞のように走っている実と、大宮公園で見たのと同じ、米粒のような黄褐色の房が見える。

雄花と実が一緒の樹ということは、雄花と雌花に分かれているけど、雌雄同株ということですね。やはりラクウショウと違って、実(雌花)はてっぺんに集中している。剪定の仕方もあるんだろうけど、雄花の房をつけた枝もかなり高い位置にあるし色も目立たないので、今まで気付かなかったのもムリはない…

 

そういやラクウショウの方の雄花が見当たらないな~と思ってさらに探すと、あった!

同じ樹に実もなっていたのでこちらも雌雄同株なのだろう。ラクウショウの方は結構葉が残ってる木が多いから見つけにくいのか、あるいは開花は4月でメタセコイアより遅いから*2花房が出るのも遅いのか。

 

岸辺には一面にラクウショウの殻の破片と中の種が散らばっている。白っぽい殻と黒褐色の種。割れて落ちるのか、落ちた拍子に割れるのか、原型をとどめているものは少ない(ちなみに写真中央の大きい丸いのふたつは気根。地面に飛び出した根っこの一部です)。

 

まだバラバラになっていないのを見つけた

 

割ってみると、すがすがしい、鮮烈な香り。

松の香り、いやラクウショウは落羽松といいつつもスギ科だそうなので*3杉の香りなのか?

そして気が付くと黄色い油で手がベタベタに…。ずいぶん油分含んでるんだなー。ラクウショウの実はまだ青くて樹になっているのは何度も見かけたけど、こうなっていたのか!!なんか感激。

 

そういえば、メタセコイアの実は見当たらなかったな…時期的にズレてるのか、単に見落としただけか。次はもっとよく探してみよう。

 

 

筆先のようにつんと尖ったカワヅザクラの花芽。早咲きといえど、さすがにまだまだ。

でも、冬も面白いね!

*1:菱山忠三郎、『身近な樹木』、主婦の友社、平成10年(1998年)、P170

*2:同書、P170-171

*3:同書、P171

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