【閲覧注意】直接的な画像はありませんが、記事の後半部分に鳥類が捕食されることについて記載があります。苦手な方は閲覧をお止めください。
今日は閉幕近い美術展にでも行こうかな~と思っていたのですが、朝起きてみるとなんか気分が乗らず(電車に乗る気分にならなかったのだ)、午前中はだらだら本読んで、昼からは行きつけの沼へ。
岸辺の一角に、やたらドバトが集まり騒いでいる樹があった。近寄ってみると、何羽ものハトたちが枝から枝へと飛び回りながらまだ緑っぽく見える実をむしり取っているのだった。
もう大興奮!ん待てよ確か以前もこんな風にヒャッハーしてた記憶が…
↑ このときは、葉もすっかり落ちたエノキの枝に残った赤褐色のしわしわの実にドバトたちが群がっていたのだ。
今回もエノキなんだろうか?図鑑で調べてみると*1、実の感じとかはムクノキに似ているような感じがする。
足元に落ちていた実と葉っぱは
葉、*2。緑の実も写真*3を見るとムクノキのもののようだ。しかし赤い実の方はエノキっぽい…測ってみると赤い実が7~8㎜、緑のが1.2㎝くらいだからサイズ的にもピッタリ。
ということは、ここにはエノキとムクノキと2種類植わってるのか?次行ったときはもっときちんと観察してみよう。
何があったのか、ハトたちが突如として飛び去ってしまったので沼の正面に回ろうと戻りかけたとき、木立ちの隙間から見えた。アオサギさんとコサギさん来てる!
おっ、もう1羽舞い降りてきた。どうですこの脚と身体の曲げ具合、絶妙なポーズ。
つかず、離れずの2ショット
コサギはときどきこういう距離感でいることあるな。
アオサギさんはいつも独りな感じがする。
そして…
やっぱり来てたハシビロガモさん!これは♂たち。
ハシビロガモ♀さんたちは他の子たちとくつろいでいた。
右2羽がハシビロガモ♀、3番目がコガモ、左端がカルガモ。こうしてみると、コガモは脚の色が目立たない色をしています。
ん?カイツブリさんが水面をすうっと真っすぐ滑っていく。こういう泳ぎ方はあまりしないんだけど…
やっぱり、ヒナのとこに向かってたんだ。
透明ぽいから、エビか何かかな?
苦労しつつも食べられたようで、その後は親たちの間を行ったり来たりという感じ。しかしヒナが1羽しかいないというのは……他のヒナたちは育たなかったか、天敵たちに捕食されてしまって、この子だけが生き残ったということだろうか。がんばれよ~
と和んだそのとき、後方から、まったく意識から抜け落ちていたアオサギがばしゃん!と飛び込んできた。
離れたところからアオサギに向かって水をはねかけるカイツブリ親。
ヒナの姿が見えない。まさか…
相手にせず
離れたところでまるのみに
親鳥がヒッヒッヒッヒッという地鳴きを盛んにしていると、どこからともなく別の若鳥がやってきた。だいぶ大きいから、さっきのヒナよりも前の産卵で生まれたきょうだいなのかもしれない。
もう親たちとくっついて行動しているわけではなさそうだけど、警戒してヒナを呼ぶ鳴き声に反応してやって来たのだろうか?そう思うと、何とも言えない気持ちになる。
ほんのちょっと前までは生きてた。でもそれはさっきのエビだって同じで、それと同じことがおこったに過ぎない。われわれ動物が生きることは(例外はあるだろうけど)他者の命を奪うことであり、自分が奪われる側に回ることもある。そこに悪意はない。
まあ、そうなんだけどさ…
今この瞬間生を謳歌していても、死はすぐ隣にあるのだ。考えているよりも、ずっと。
ぐるぐる考えながら岸辺を半周してまた戻ってくると、アオサギは元の位置に舞い戻り、親鳥の地鳴きもやんでいた。
生きているものの生は続いていく。自分の番が来るまで。
*1:『身近な樹木』㈱主婦の友社、平成10年 P120~121
*2:縁のぎざぎざ(鋸歯)が基部まであるのでムクノキっぽい((参考サイト:国土交通省 近畿地方整備局 六甲砂防事務所『六甲山系植生電子図鑑』エノキ、ムクノキ
*3:『身近な樹木』㈱主婦の友社、平成10年 P120~121