「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」(国立新美術館)

即位30周年記念で入場料無料となる今日を狙って行ってきました。イケムラレイコについては先日ネットでこの企画展を知るまでは何ひとつ知らなかったのですが、行ってみてよかった…

 

テラコッタ作品群。写真撮影OKのコーナーです。

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テラコッタ作品は他のコーナーにも多く配置されていて、個人的には『生物都市』(諸星大二郎)を彷彿とさせる「フジフェイス」(最初、巨大なフジツボに顔がついてるのかと思ったら、富士山だった…)や土偶的な雰囲気の「母」が好きでした。

 

室内と屋外の2体の「うさぎ観音」。東日本大震災の衝撃を乗り越える過程で生まれた作品だそうです。写真だと見づらいですが、空洞のスカートには無数の穴(通気口?)が開いています。

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母性的なるものの中が空洞になっている、というモチーフは他の作品にも見られました(上で述べた「母」も。)。

 

終盤の「コズミックスケープ」というコーナーでは、近年取り組んでいるという大作が数点展示されていました。

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これはその中で一番気になった作品。この3枚は、「東海道」という2作品の真ん中に「始原」という別の作品を配置している。

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左側から。

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右側から。

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真ん中の木の根元。

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これも左から、「始原Ⅱ」、「始原Ⅲ」、「コロニア」を繋げている。細部を見ると…

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これら全体の、そして細部に散りばめられたイメージが何を意味するのかはわからないけど、見入ってしまいました…

 

写真撮影可のコーナーが少なくて凄くイイと思った作品を載せられないのが残念ですが、絵画、彫刻(テラコッタ彫刻が中心)から写真まで、実にさまざまな手法で、心の奥の何かを揺さぶる何かが描かれている。何かって何?というのがすごく言葉にしにくくて、たとえば数多く展示されている初期のドローイングは抽象画ではなくて何が描いてあるのかはいちおうわかる気がする(そしてユーモアを感じさせる)ものが多いのですが、言葉で「この絵のこれは〇〇、あれは△△」と頭の中で言葉にしようとする凄く疲れるのです。言葉になる前のイメージというヤツなのかも。タイトルもほとんどが「無題」だし。

 

残念だったのはグッズ類で、トートバッグとポストカードくらいしかないし、ポストカードの種類も少なく絵柄のセレクトも個人的な感想を言えばイマイチ…(なんで「生命の循環」「原風景」の抽象画のような風景画も、「アマゾン」「フジフェイス」もないんだよう!カタログを買わせようという作戦だとしたらアタリだったわけですが)。でもそういう文句を言いたくなるほど展覧会自体は良かった!音声・音楽を含めたプレゼンテーション(インスタレーションでしたか…)も凝ってます。

4月1日までなので、この企画展ページの中に惹かれる作品があったら、足を運ばれてはいかがでしょうか。無料の日曜日の今日もさほど混んでなかったのでそういう意味でも狙い目かも♪

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