日本の中世の勉強をしていて、中世ってそもそもなんだろう、ってふと考えたときに思いだしたのが、これ。
説明不要かもしれませんが、「機動戦士ガンダム」に登場する敵方の独裁国家ジオン公国の公王デギン・ザビと、その長男でジオンの実質的支配者であるギレン・ザビ総帥が物語の終盤で交わす会話です(手元に資料がないので正確ではないかもしれません。すみません。)。
不利な戦況を強力な破壊兵器で一気に覆そうと画策しながらザビ家の管理に基づく選良主義を臆面もなく主張するギレンに対し、もはやそれを止める力を持たないデギンは息子を、「貴公はヒトラーの尻尾だな」と皮肉ることしかできない。その後のザビ家とジオンの行末も暗示する、印象深い場面です。てのは置いといて。
物語の時代は宇宙世紀0079年。初めて見たときは、ヒトラーが中世期の人物になるって宇宙世紀はいつからなんだよ!?と違和感を覚えたものですが(コロニー移民が始まって50年という設定だから、100年後くらいのイメージで見てたので)、考えてみれば古代―中世―近世―近代―現代という区分も古代・中世がず~っと続いて、近世なんかなくて、近代は地球連邦政府が成立してからで、現代はスペースコロニー移住が始まってから、みたいな区分の仕方もあり得るわけですね。
では、私たちが今生きてるこの時代はいつ、「現代」ではなくなるんだろうか?また、過去の時代の人々は、自分たちの今、そして過去をどのように捉えていたんだろうか?
そしてもうひとつ、デギンとギレンの会話は、ギレンのようなエリートがヒトラーを知らなくてもおかしくはない、というニュアンスを感じる(まあ、知ってると思って持ち出したんだろうけど、現代だったら「ヒトラーを知っているか」と言われたら「何が仰りたいんです」になるだろう)。宇宙世紀0079におけるヒトラーは、現在でいえばどっかの国のナントカ○世とか、源何某、平誰某レベルの存在になっていたんだろうか。