2018年度第2学期成績発表&今学期のまとめ

今日は第2学期の成績発表日。いつもは深夜零時の発表時間からアクセスが集中して、翌朝になっても全然見られない…なんてことばかりだったのですが、今回はえらく軽くてサックサク。システム変更のおかげか、平日10時発表にしたせいか、全科履修生を優先して10時から、科目履修生などは時間帯をずらして14時から、と区分してくれたためなのか。それらの相乗効果か。何にせよ有難いことです。放送大学のシステムで有難いと感じたのは今回が初めてのような気がするよ…

試験の結果は、単位は取れてましたが失敗したかな…と思ってた2科目はやっぱり目標どおりには行かず。くそー。ちと悔しいけど、年明けに集中力が続かなくて失速してしまったこともあるし、今後の反省点とします…

というわけで、今学期のまとめ。

【2018年度末現在の単位取得状況】

◆2018年度2学期取得単位 放送授業6科目12単位

残単位数28=卒業必要単位124-他大学修得単位30-取得単位累計66

(卒業研究が6単位分なので授業科目としてはあと22単位 ふう、だいぶ来た…

【今学期取った授業について(感想)】

授業そのものは、どれも面白かったりためになったり、あるいはその両方で、取ってよかったと思います、特にラジオの3科目は身構えず聴き流すだけでも楽しめる、おススメの科目でした。

試験としては、やはり記述式2つがこれまでになく大変。事前の勉強もだけど試験そのものも50分で800字はかなりキツイ…久しく手書きもしてなかったし。でも、択一の試験勉強よりも深い理解、面白みのある勉強だったことは間違いない。単位取得、好成績取得という観点からは効率的ではないし、卒業研究の役にも立たないでしょうが、やってみてよかった!採点も大変なのに、あえて記述式でやって下さる先生方には頭が下がります。

詳細は以下へどうぞ。ただし試験についての感想は当たり前ですが今回の試験限定の話で、これから急に出題型式や傾向が変わることももちろんありますので、ご注意ください、

1「考古学‘18」(TV)

2「国際理解のために‘13」(ラジオ)

3「日本語概説‘15」(TV)

4「日本文学の名作を読む‘17」(ラジオ)

5「身近な統計‘18」(TV)

6 ヨーロッパ文学の読み方 古典篇‘14」(ラジオ)

 

                                           

1「考古学‘18」(TV)

 考古学という学問の歴史、様々な考古学手法(土器型式による編年や、炭素14年代法などの年代測定法、成分分析による産地特定など)、考古学的分析に基づく先史時代の生活状況の推定、海外(朝鮮半島と西アジア)の考古学の紹介など。

考古学の重要性や「こんなことまでわかるんだー!」という学問としての進歩が非常によくわかる授業で、扱っている内容は面白いし、度々出てくる遺跡や遺跡博物館ロケなども良い。とくにOP&ED画像でも使われている保渡田古墳群(群馬県)と隣接する「かみつけの里博物館」、あと沖縄のガンガラーの谷のケイブカフェにはいつか是非行ってみたい♪

ただ、新規開設科目でこなれてないせいもあるのか、テキストも講義もちょっと生硬でわかりにくいのが残念。

★試験は択一式(持込不可)目標に達しなかったから言うわけじゃないけど、試験問題もわかりにく… (いえすみません単に勉強が足りなかったんです)

                                         

2「国際理解のために‘13」(ラジオ)

前半はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の関係性やこれら3宗教に与えたゾロアスター教の影響(及びゾロアスター教の現在)など、現代社会に非常に大きな影響力を持つが日本人には比較的馴染みが薄い宗教について、後半は領土問題がおこる原理に始まり、北方領土、竹島、尖閣諸島という日本の領土問題に加え、通常の領土問題とは毛色の違う沖ノ鳥島問題(島か岩かで海洋法上の扱いが全く異なる)について扱っている。

いずれも、賛成反対の意見を持つ前にまず「基礎的な知識を持つ」「対立する双方を知る」ことが必要、という当たり前だが置き去りにされがちなスタンスが貫かれていて、いろいろ不穏で不快なあれこればかり見聴きする中で冷静さを保つことの重要性を再認識させられます。宗教問題では、宗教から宗教への影響、思想的な繋がりと差異も面白かったけど、『ユダヤ人の起源歴史はどのように創作されたのか』(※)の存在を知ったことが個人的には一番大きかった。

構成の面でも、その日のテーマに関係あるようなないような音楽を流したり、ゲストを招いて話を聞いたりと工夫が見られ、ユニークな番組になっています(授業のインターネット配信だと著作権の関係で流せない音楽もあるのが残念。ラジオ放送を聴くしかない)。語りかけが「放送大学の学生のみなさん。そして放送大学の学生ではない、番組を聞いてくださっているみなさん」であるように、広く一般の人を意識しているためでもあるのでしょう。いちラジオ番組としても面白いと思います。今学期で閉講ですが来学期から一部改訂して「国際理解のために‘19」開講予定。

★試験は記述式(持込不可)。2問出題1問選択(750~800字)。山がほぼ当たったのもかかわらず、うまくまとめきれず…残念。領土問題とかはそんな好きじゃないというかむしろ目を背けたい人間なのですが、無理矢理にも過去問やったりして勉強したのは、(楽しくはありませんでしたが)ためにはなったと思います。

※シュロモー・サンド著(武田ランダムハウスジャパン)。ヨーロッパ各地に離散していたユダヤ人は、通常言われているような、ローマに反乱をおこして追放されたパレスチナの人々ではなく、13世紀に滅亡した南ロシアのカザル王国(ハザール王国)の末裔であった、そして、現代イスラエルを建国した人々やユダヤ教学者たちはそれを知っていたにもかかわらず、通説の方を流布してきた…という説を説く。

                                         

3「日本語概説‘15」(TV)

 日本語の音韻や文章の構造、文法などの普段意識していないルールやその変遷、漢語や外来語、方言など、日本語そのものの過去と現在についての解説。日本の古典文学を勉強するのに必要だろうと思って取ったのですが、音韻体系の表とかは複雑すぎてクラクラ…今でも理解できたとは言えないけど、日本語の発音や文法がいつ頃どう変わったのか、おぼろげながらわかってきただけでもよかった。学校で習った古典文法は平安時代の文法だったから、上代の文法との違いに触れられていたのも有難かった、

★試験は択一式(持込不可)。試験日程の都合でちょっと後回しになってしまったけど、たまたま苦手なところがあまり出なくて助かった。

                                        

4「日本文学の名作を読む‘17」(ラジオ)

 平安時代の『伊勢物語』、『枕草子』、『源氏物語』といったところから明治の漱石、芥川、最後の中島敦までの散文作品の名作を、作品が生まれた背景とともに、原文を紹介し、なぜ名作と呼ばれるに至ったのかを考察する。

特徴的なのは佐藤育子先生担当の近世文学で、他の時代が本当に誰でも知っているような超有名作者・作品を取り上げているのに対し、知名度では(そして文学的な深みという点でも)そこまで及ばない江戸時代後期の「江戸っ子の文学」を取り上げている。『金々先生栄花夢』、『桜姫全伝曙草紙』、『白縫譚』、『怪談牡丹灯籠』というラインナップのうち、私が知っていたのは牡丹灯籠だけだし、タイトルを眺めてもいかにもエンターテイメントの香りが漂う。

個人的には幕末から明治18年まで作者を変えながら刊行されたという『白縫譚』が大ヒット。室町時代の九州を主な舞台に、大友宗麟の遺児で村娘すずしろとして成長した美少女・若菜姫(しばしば男装して美青年になることも)が亡父の仇討ちと大友家再興のため、様々な思惑の敵味方の策謀入り乱れる中、蜘蛛の妖術を駆使して活躍する…という荒唐無稽な物語は、長期連載にありがちな、横道にそれまくり、物語終盤になるとかなりとっちらかった状態になって大団円を迎え、果たしてこれを「名作」の範疇に入れていいのか、というと微妙ですが、ともかくこの作品に出合えたことには感謝したい。

★試験は択一式(テキスト・ノート持込可)。問題も平易でテキストをよく読んでいればほぼ問題ない。主任講師の島内裕子先生は、他の担当授業もそうですが、厳格に知識を詰め込むというよりは多くの人に古典に親しんでもらいたいという方針で臨んでおられると思う。 

                                        

5「身近な統計‘18」(TV)

 実例として「大谷やダルの球種・球速」を多用する、統計入門。石崎克也先生・渡辺美智子先生のペアが笑顔で明るく解説。しかし、回が進むにつれてこちらの理解は怪しくなり、後半の標本誤差とか仮説検定とかの辺りになると完全な落ちこぼれ状態に。実際の仕事や勉強で使うときにはExcel関数を使えばいいという前提があるからか、試験には本格的な計算問題がない(電卓持込不可)のが救いといえば救いでしたが…。

十分理解したとは言えませんが、勤めてた頃に勉強しておけば、統計の考え方や使い方のさわりを知ることができて、仕事に役立ったろうな、とちょっと後悔。これからだと自分の興味の方向性からして勉強には使いそうにないし、贔屓チームのデータ分析くらいか…

ところで、毎回、統計と社会の接点について、官公庁から民間企業など、実在の団体が登場して各団体の統計的な取組みについて解説するコーナーがあるのですが、その中に「内田洋行健康保険組合」が登場する回があって、「内田洋行」という会社自体を知らなかった私は、「どうしてここが選ばれたんだろう?」と首を捻ったのですが、その後新しくPCを買ってofficeを学割で入れようとしたとき、内田洋行が放送大学用パックを出していたので、「ああ、こういうのでツテがあったのかもなー」と納得したのでした。もちろんそれだけではなく、内田洋行健康保険組合が先進的な取組みをしている、というのが大きいのでしょうが。

★試験は択一式(持込不可)。上述のとおり電卓持込みがないので本格的な計算問題はなく、基本的な知識や考え方の理解を問う問題が多かった。計算ばかりだったら、たぶん落としていただろう…

                                        

6「ヨーロッパ文学の読み方 古典篇‘14」(ラジオ)

 『イリアス』、『アエネイス』などの古代ギリシア・ローマ文学、『トリスタンとイズ―』、『カンタベリー物語』などの中世・ルネサンスの西ヨーロッパ文学をテーマに、おおむね1回1作品を取り上げ、本文(日本語訳)を紹介しつつ、解釈や背景、表現手法なども解説。作品・分野によって興味の度合いにも差があり、試験が記述式(5人の先生が自分の担当範囲から1問ずつ出題し、その中の1問を選んで解答)だということもあって、偏った勉強になってしまったのは反省点。早々に中務哲郎先生のギリシア文学だけに絞って過去問解いたり、過去問がない『イリアス』と『アンティゴネー』は自分で想定問作ってみたりしました。やってみると『アンティゴネー』は想定問を作ること自体が難しくて、つまりこれは理解できていない、自分の中で消化できていないということなんだろうな…とちょっと愕然としてみたり。いい経験でした…

あまり勉強しなかったローマ以降も、読んでみたいなと思った作品は多いので、少しずつ挑戦したいと思います。

★試験は記述式(テキスト・ノート持込可)。5問出題1問選択(600~800字)。過去問や想定問を解いた回答も持ち込めるので、事前の勉強はともかく試験会場でのプレッシャーという面ではかなり軽減される(山が当たれば)。

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