5月23日(木) 発見!岸辺のマイホーム!
日差しは強いが空気はさわやかな午後。暫くぶりに大宮公園ボート池に行ってみた。メタセコイヤにヤマモミジ、光と緑あふれる水辺だけど、水面からはカモたちが去って静かなもの。横顔に赤い筋の入ったミシシッピアカミミガメだけが、あちこちやたら目についた。
湖面にはただただ、クケケケケケケ…というカイツブリの物悲しいさえずりのみ。なんだか寂しくなっちゃったなあ…と思いながら遊歩道をぶらぶらしていたら、岸辺にすごく近いところに、でーんと巣に座り込んだカイツブリさん(夫婦で交代で抱卵するそうなのでオスメスどっちかは不明)が!と思ったら、なんか落ち着かなげにわさわさやってます。
ひょっとして、卵ひっくり返してるの?
自分も座る向きを変えた!巣は心細いくらい薄くて、おまけに岸に凄く近いので心配になりますが、当人はあまり気にしてない模様。そうっと近づいてカメラを向けても反応はなし。
おっと危ない。ミシシッピアカミミガメがニアミス(この意味がわかったのは半月後だった…)。
カイツブリの抱卵期間は20日ほどだそうなので、これからしばらく定期的にお邪魔することに決めた ♪ 無事にヒナが孵るといいな。
それにしても、こうして見るとカイツブリって小さいなー。手元の図鑑では全長26セcm。ムクドリが24cm、ヒヨドリが28cmだからその中間。カルガモ60cmの半分もない…そこが可愛いんですけどね。
5月30日(木)巣はおおむね平和な模様
一週間ぶりの訪問。
ボート池に着いたとき、対岸近くで2、3羽がキキキキ…とさえずり羽根をばたつかせて滑走+着水したり落ち着かない様子。縄張り争いだろうか?
巣の方では、どっしりと腰を据えて卵を守っています…
じろっ
恍惚として甲羅干しするアカミミガメ。きらきらとした日差しが濁った水にも入り込み、ちっちゃなベビー亀がよちよち泳いだり、岸辺近くの浅いところを小さな沼色の魚がくるくるさささっと泳ぎ回るのがよく見えた。トンボも増えて来た。もう夏だねえ…
6月6日(木) ふたりで守る
今日の最高気温(さいたま市)は32℃。今年の梅雨~夏は大過なく、適度な長雨、適度な晴れ、適度に厳しい暑さの夏になって欲しいなあ…
ん?心なしか、以前より岸から離れているような…巣の近くに刺してある枝も増えた感じがする。枯枝だの落葉だのをかき集めて作った浮島の巣だから、流されて段々ズレてっちゃうんですね。まあ最初が岸に近すぎたので、安全&プライバシー上はこのくらい離れてた方がいいよね。
まだヒナの姿はないみたい。今日は夫婦揃っている(どっちがどっちかは不明)。今日は抱卵の交代場面が見られるかも!?と思っていたら、それは意外な形で現れた。
なんじゃこりゃ?な写真ですみません。
実はこの直前、アカシッピアカミミガメが巣にどーんと体当たりしてきたのです。それで、卵を抱いていた親鳥が巣から降りて潜っているところ。カメを追っ払うためだと思いますが…これ、見たときは単なる交通事故かと思ったのですが、後で調べてみると、アカミミガメはかなり獰猛で雑食、水鳥のヒナも食べるということなので、卵を揺さぶり落とそうと狙った当たり屋だったのかもしれません。そういや初めて見たときも、アカミミガメが巣の近くをウロウロ泳いでいたっけ。
それはともかく、カメを追っかけて巣から降りた相方がカメを追っかけてか、それともついでに交代すんべーと思ったのか、あさっての方向に行ってしまうと、巣の脇で待機していた方が、そろそろと無人の巣に近づく。
その場ではわからなかったけど、この真ん中の白っぽいのはもしかして卵ですね!?
卵が冷めちゃうんじゃないかと心配し始めた頃(といっても、数分しか経っていませんが)、巣の周りをうろうろしていた二番手がようやく巣に上がってきた。
体当たりの衝撃で巣が乱れてしまったのか気になるのか、卵が無事か確認してるのか。
いろいろやっています。
最後はどっしりと。
巣を見つけた5月23日から2週間。そのとき抱卵し始めたばかりだったとしても、あと1週間かそこらで、孵化するはず。これからは来訪頻度を上げなくては。
6月11日(火)そして…
用事があったり雨降りだったりして、結局日にちが空いてしまった…巣発見から19日目。そろそろですよね…
巣の周りには目隠しにもならないような細枝をが立っている(前はなかったので自分たちで立てたのか?)のですが、子亀たちが隙あらば甲羅干し…これはこれで可愛いんだけど、あまりにもどこにでもいるのでちと怖い。まあこの子たちも無事に大人になれるのはわずかなんだろうけど…
巣の周りの水面近くをウロチョロしていた小魚をクチバシだけ水に突っ込んでヒョイッとGET!
ん?その背中の不自然な膨らみは…
ああっやっぱり!通常モードでは羽毛の下に隠れているのですが、ちらっとでも顔を出すとクチバシや目の縁の目立ってすぐわかる。
これは餌をねだっているのでしょうか。
でも持ち合わせがないのかガン無視…
そ、そんなに身を乗り出したら危ない!!
きゃああ落ちた…おおっ、でも泳げる!甲高くさえずりながら追いかける親鳥。
溺れずに泳げているのはいいけれど、池にはミシシッピアカミミガメもうようよいるし(カルガモのヒナも食べるということなので、当然カイツブリのヒナも守備範囲であろう)、ハラハラしながら見ていましたが…
すぐに追いつき格納完了!でも心配したのか抱卵していた方も巣から降りて様子を見に来る。
「大丈夫だった?良かった。ついでに抱卵交代!」
「りょーかい。行ってらっしゃい」てな感じの振り返り方。
あと1個…なのかな?よたよたと巣に上がって、
卵をひっくり返して…
よし!
最初の頃に比べると巣もだいぶ立派になってます。枯葉枯枝だけじゃなく、ビニールっぽいのとかいろいろ混じってますが。
巣を離れて対岸の岸辺に回ると、そこにはものすごい勢いで水浴びをするカイツブリの姿があった…池にはあの2羽しかいなさそうだったし、たぶん先に抱卵していた子だと思うのですが。ばばばばばばっとそりゃあもう盛大に…
シンクロ?
ヨガ?
カイツブリの水浴びというのは初めて見ました。潜水が得意で通常時に見ると水面に浮いてる時間より潜ってる時間の方が長いんじゃないかと思うくらいですが、抱卵中はそうもいきませんもんね…長時間巣ににいれば羽毛も乾くだろうし、ゴミとか虫とかもつきそうだし、激しい水浴びは必須なのかもしれません。ストレス解消にもなりそうだし。
というわけでついにヒナを見ることができました!できればこの先もちょくちょく訪問したいです。それまで皆さんお元気で…