熊谷市の西別府祭祀遺跡を見てきました。同じく熊谷市の西別府廃寺や隣接する深谷市の幡羅(はら(現在も地名として残るが「はたら」と読む))遺跡と一体をなす古代幡羅郡の中心地で、古代には台地の崖下の湧水で祭祀が行われていたのだという。今は水量が全然なくて、見る影もありませんが…
この下に続く階段は使えないので、迂回して崖下に回ってみる。
崖下の対岸から。さっきの祭祀場の階段は正面の辺り。昔は清水豊かな美しい場所だったのだろうけど、自然も永遠に変わらぬものではないのだ。
ここに来て一番強く感じたのは、目の前に広がる低地の広さ。
神社のある台地側も元々平らかな地形にプラスして高い建物がそんなにないのも手伝って、広々した台地+広々した低地の解放感が何とも言えない心地良さ。こういうところにどーんと官衙群やら寺院が建ってたら、どういう風に見えただろう。 などと考えているうちに、実際の起伏の状況を知りたくなって調べてみたら、 地理院地図Globeというのがありました。
試しに熊谷から籠原の辺りを見てみる。「情報リスト」のトップから「起伏を示した図」を選んで、とりあえず「陰影起伏図」にしてみるか… おぉーこれ、面白い!! この画面右下の「西別府」が台地側、細長い沼地の北側の田畑が低地側。真ん中よりやや右下の別府沼の水源の神社マークが湯殿神社で、古代の祭祀場もここら辺にあった。 それにしても、見て感じた通りのフラット感がたまらない。
翻って、自分が住んでいる地域を検索してみると、入り組んだ複雑な地形に驚かされる。絶対的な高低差はそんなにないけど、見てるとクラクラする…建物に覆われていて気づきにくいけど、こんなになってるんだ。本当の姿は。 よっしゃじゃあ吉野行こう吉野(今年こそ花を観に行く予定)! や、山ですね…当然ですが、思いっきり山です。私の脚で本当に回れるのかな(汗) それはともかく、純粋な面白さもさることながら、これがあれば自他共に認める超方向音痴・三次元苦手の私でも、史料に出て来る地形の感覚が、少しはつかめるようになるんじゃないかなーと勉強面でもちょっと期待してみたり。