前作「鍵のかかった男」から１年ちょっとぶりの臨床犯罪学者火村英生シリーズの新作長編「狩人の悪夢」（有栖川有栖／角川書店）。試験終わった帰りに早速購入。タイトルからして、シリーズの最大の謎であり芯である火村の悪夢との繋がりも期待して読み始めたのですが、うーん論評に困る…ミステリとしての出来はわからないし、作品として好きと言えるかどうか疑問だ。だけど、火村シリーズとしては相当の勇気を持って書いた作品ではないかと思いました。新しい動き出す軋みのようなものだと思えば、そこここに感じられるぎくしゃく感も受け容れられるのかもしれない。そしてラストのサプライズ（笑）これは一度止まった時計の針を、また動かすことになるのだろうか？
