出不精の私ですが、このトシになってみるとさすがに行けるうちにあちこち行っておかないと不味いんじゃ…というのもあって人生初の沖縄旅行に行ってきました。無計画に写真撮りまくりだったし、受け止めきれないものも大きかったのでなかなか整理もつきませんが、ぼちぼち記事にまとおめて行きたいと思います。
まずは、旅行中に出会った生きものたち(野鳥以外)について。観光の合間でなかなかじっくり観察できなかったのがちょっと心残り。また機会があったら、もう少しゆっくりした時間も取りたいな。
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1 植物
とにかく、緑!緑が多い!この時期でも紅葉している樹は少なくて、亜熱帯の植生なんだな~と実感しました。
ヤシ


海辺の公園などはもちろん、街路樹にもよく使われていた。青い空が良く似合う。
不思議な大木 ガジュマル
公園や庭園など、至るところで見かけるガジュマル。

大木に見えても(いや大木なんですが)、どっしり一本の太い幹があるわけじゃなく、細いのが集まり、捩り合ってできている。
これは別の場所のですが、この垂れてきてる茶色いのは根(気根)で、上の枝から出て下に伸びている

地面に到達すると地中に根を張り地上部分は新しい幹になる。

それによって移動していくので「歩く木」と呼ばれるのだという(「ガンガラーの谷」ガイドさん談)。水木しげるの妖怪漫画に出てきそう…
こちらはガジュマルの実(正確には花囊)。赤い実のように見える花嚢の内部で花が咲き、ガジュマル専門のコバチの媒介によって受粉する*1。

えっそれってイチジクと同じじゃん…と思うがなんと、この巨大なガジュマルはクワ科イチジク属なのであった*2。いやービックリ。
緑の海 マングローブ
河口付近一面に広がるマングローブ林

この記事→漫湖のマングローブ | Mangroves | 漫湖水鳥・湿地センター を読むまで誤解していたのですが「マングローブ」という種があるわけではなく、亜熱帯から熱帯地域の河口の汽水域にできる林、もしくはその林でみられる植物の総称を、マングローブと呼ぶのだそうです。
これは漫湖のマングローブで圧倒的に多いと言われるメヒルギ*3

花の時期は終わっているはずなんだけど、時々ミツバチを見かけた。季節外れの花があったのだろうか。
根元の方はこんな感じ。

生き物の宝庫になるのもわかる、複雑に入り組んだ環境。でもそれだけに、自然に分解できないゴミが入り込んでしまうと取り除くのは非常に難しいだろうなと思う。砂浜の清掃とはわけが違うだろう。ここでゴミを捨てないとかは当たり前だけど、潮に乗って運ばれて来るものが多いだろうから、海に捨てるな川に捨てるな陸に捨てるな、とにかくゴミは所定の場所へ!ですね。
沖縄県の木 リュウキュウマツ

ライトグリーンの優しい色合いが美しく、優美な印象の松。針の感触も少し柔らかくて、表面のワックス感が少ないようだった。

南国情緒の定番 ハイビスカス


あちこちで、まだまだ元気に咲いていた
名前はゆるいが美しい トックリキワタ
まったく存在を知らなかったのもあって、個人的に一番印象に残った美しい花樹

ケッタイな名前ですが、とっくりというのは幹の基部が膨らんで徳利のように見えることから来ているそうだし、実の中には白い綿毛が入っているということなので*4、キワタはそこから来ているのだろう。
南米原産で、1964年に琉球政府所属の植物学者天野鉄夫がボリビアから種子を持ち帰り広まった*5。街路樹や、施設の庭などに植わっているのをしばしば見かけた。
フリル状の細い花びらは中心が白、上半分は鮮やかなピンク。

花期は9~12月だそうで、終わって落ちてしまった花も多いが、これからの蕾もまだまだあるようだ。

落ちてくたっと朽ちかけた花もまた、もの悲しい風情があって好き

巨大絹さや ホウオウボク&ギンネム
なんじゃあこりゃあ巨大絹さやが樹に生ってる!?数十センチはあるぞ

と、目を疑ってしまったこの木はホウオウボク(鳳凰木)。
マダガスカル原産のマメ科の植物で、熱帯・亜熱帯で広く栽培されている*6。
ほとんど散ってしまっていましたが、盛りのときの写真を見ると複雑な形の朱色の花が咲き誇っていて、名前に違わぬ華麗さ。
ホウオウボクを見たのは公園だったけど、道を歩いていると道路脇の草地のあっちにもこっちにも巨大絹さやが……しかしこっちはだいぶ莢が小さい(ホウオウボクに比べれば、だが)。こちらはギンネム*7。銀合歓、これも美しい名前だ。


当初は緑肥作物等として移入されたものの、繁殖力が強すぎていまでは防除対象にされてしまっているようです*8。花の形とか可愛いし面白いんだけどなあ…確かに、至るところで生い茂っちゃってるから、わかりますけどね…
やっぱりサトウキビ

軽く背丈の倍ぐらいある。圧倒される。

この中に逃げ込み隠れたら、見つからない……かな?
フクギ

スラっとした立ち姿に、つやのある肉厚の葉。

オトギリソウ科の常緑高木で、防風林として利用されるそうだ*9。
雌雄異株*10だそうだが、これは雰囲気夫婦ではなく本当に雌雄なのだろうか。花も実もない季節なのでわからなかった。

街路樹としてもよく見かけた。幹が真っすぐで枝もあまり広がらないのが良いのだろう。
バナナ

米軍基地の周囲を歩いてたら、なんか道端に植わってた。実が小さいから、島バナナなのだろうか?(島バナナは通常のバナナの半分くらいの大きさしかないけど、みっちりとつまって甘みが濃く、とても美味しい。)
グンバイヒルガオ
ヒルガオっぽいけど花の形は☆型で、中心部が色濃くなっている。葉先は少し凹んだ軍配型なのが特徴的。そっか、これが名前の由来なんだろうな。

沖縄のほか、九州南部や四国まで分布し、海岸の砂浜に生えるつる性植物で、花期はほぼ1年中*11。

他では見かけなかったが、ここにはびっしり密生していた。
アダン

一瞬パイナップルかと思った(※パイナップルは草です)。が、よく見ると丸いし小さな断片が寄り集まって丸い形になっている。いかにも美味しそうな色づき方をしているけど繊維質で(人間が)食べるのには適さないが、ヤシガニやヤドカリは好んで食べるという*12。そういえば熟した実が房から脱落して根元の辺りに散らばっていたっけ。ああいうのに群がってくるわけですな。
スミレが咲いてる…!
うむむリュウキュウコスミレであろうか*13。沖縄のスミレの花期は10~11月から4月のようで*14、冬の花ってことになるのか。


コシロノセンダングサ(たぶん…)
黄色く盛り上がる花芯を白い花びらが囲む可愛い花*15。至るところに咲いていて、ありふれた花なんだなと思ってちょっとしか写真撮らなかったのですが、いざ同定しようと調べてみると、似たような花がいろいろあって難しい。似たような別名も山ほどあるし。言われてみれば、もっと花びらが細長いタイプもあったような気がする。もっといろいろ撮っておけばよかった。
ところで、このグループの花たちはどこにでも咲いてる上に吸蜜人気が高いらしく、本記事を書くに当たって非常にお世話になった『琉球弧・生き物図鑑』(山口喜盛・山口尚子、南方新社、2021年)で、チョウやハチの写真で吸われ役としてよく登場していた。
2 昆虫
シロオビアゲハ
翔んでいるとき、黒い翅の中に白がチラチラするのがシックで印象的。滞在中、一番よく見かけたチョウ。

頭にも小さな白い斑点がある。

一列に並ぶ白い斑が特徴的なアゲハチョウ。トカラ列島以南に分布する。メスの一部は有毒のベニモンアゲハに擬態するために斑が赤くなるなど変化したものもある*16ようだが、これはオスか、あるいは通常型のメスのようだ。
キイロヒトリモドキ

オレンジがかった鮮やかな黄色が美しい蛾。昼間は林の中にいることが多いらしい*17が、このときは樹木の多い公園の見晴らし台に張り付いていた。
アオタテハモドキ♀

翅の縁の妖しい目玉模様が素晴らしい。♂は名前のとおり青みがかった体色で、目玉模様は少ないらしい*18。♂も見たかった…!
チャバネセセリ

イチモンジセセリに比べると白い斑が小さく不明瞭。関東でも見られるが、本来は熱帯のチョウなのだそうだ*19。
ベニトンボ

翅の網目(翅脈)まで赤く、体色はやや紫がかった赤。琉球列島から九州、四国南部に分布しているが、北上中*20との記載のとおり、ネットを見ると本州での観察記録が幾つもあった。

3 その他
サンゴ…なのかな

こんな潮だまりにいるものだろうか?
ヤドカリ

貝殻か、でももしかして…としばらく見つめていたらもぞもぞ動き出した。真ん中の青とオレンジのがスベスベサンゴヤドカリ*21、左の黄色と黒のシマシマの脚のがマダラヨコバサミ*22ではないかと思うのですが、なにぶん目が悪いもので細かいものは難しくて。それにしても、スベスベって…なんてネーミングだい。サンゴ礁にいて、体毛がないから、というのが名前の由来らしいけど…
ミナミクロダイ

成魚の写真
とはあまり似てないけど、身体は小さめで縞がハッキリしていて、場所は漫湖に流れ込む河口付近、ということからまだ若い個体と推測。沖縄県水産海洋技術センター資料「おきなわのいまいゆ Vol. 9 ちん(ミナミクロダイ)」の若い個体のイラストとはクリソツなんだよね。上記資料によれば成長すると♂から♀に性転換するそうだけど、この子はどうだったのであろうか。
オキナワウスカワマイマイ

浦添市の住宅地にある御嶽の案内板に張り付いていた。人家のまわりでよく見られるという*23。関東でよく見るカタツムリに比べると、殻の底面積は狭く、高さが高い感じかな。
ハブいろいろ
リアル系

ほのぼの系

アメコミ悪役風

これはもうハブじゃないだろ
山や林に入らずとも、公園とかでもちょっと草深い茂みがあると必ずこういうカンバンが立ってて慌てて身をひくこともしばしばでしたが、さいわいにも、現物には遭遇せず。良かった~
なにしろ、最大体長(250㎝)だったら1.5mが攻撃範囲なんですと!*24。
*1:
ガジュマルの花 | 学芸員コラム | 沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)
*2:同上
*3:同上
*4:
*5:
トックリキワタ | 植物図鑑 | 海洋博公園 Official Site
*6:
*7:
*8:
*9:
*10:同上
*11:山口喜盛、山口尚子、『琉球弧・生き物図鑑』、南方新社、2021年 P150
*12:山口喜盛、山口尚子、『琉球弧・生き物図鑑』、南方新社、2021年 P121
*13:山口喜盛、山口尚子、『琉球弧・生き物図鑑』、南方新社、2021年 P138を参考にしました。
*14:同上
*15:同定には
https://www1.ous.ac.jp/garden/hada/index を参考にさせていただきました。
*16:
高解像度な集団遺伝解析で迫る、琉球列島のシロオビアゲハの進化~擬態する個体が混在する、ダーウィン時代以来の蝶の不思議~ – 琉球大学SDGs推進本部
*17:
*18:
『アオタテハモドキのオスとメス』 | 沖縄県地域環境センター
*19:
*20:同定には 山口喜盛、山口尚子、『琉球弧・生き物図鑑』、南方新社、2021年 P105
*21:
*22:
マダラヨコバサミ | 美ら海生き物図鑑 | 沖縄美ら海水族館 - 沖縄の美ら海を、次の世代へ。-
*23:
*24: