たまたま見かけた「キツネノカミソリが咲き始めました」というニュースが気になって、群生地に行って来ました。
目指す「市場坂キツネノカミソリの里」(新座市)は黒目川を挟んだ左側の斜面にある。どうやらこちら側から直接入る道はないようで、ぐるっと回って市営墓園を抜けていかないといけないらしい。

墓園に入ると要所に案内板が設置されていて、まず迷うことはない。

斜面林を降っていくと

あった!オレンジのじゅうたん!


ヒガンバナの仲間だそうですが、ほっそりした可憐な形に落ち着いたオレンジ色で、受ける印象はだいぶ違う。あ、青い実もできてる。ヒガンバナは結実しないから、この点も違いますね。

案内板によると

ってことだそうで。いやその前にゾウキリンて何なんだよ!という方はこちら
確かに、葉のない茎だけがスッと直立して花を咲かせているとこは似てる。ただし、草丈はヒガンバナよりだいぶ低い感じだ。

おっとハグロトンボさんまで写り込んでしまった
蕾もヒガンバナに似た感じ

横顔。花びらの先端がくるんと反ってるのが何とも言えぬ愛らしさ。

ゾウキリンの説明にあった「葉の形がカミソリに似ているからキツネノカミソリ」というその葉っぱは、今の時期は枯れてしまってるし、図鑑の写真にもなかなか見当たらなくてネットで幾つか見ただけですが、細長くて昔ながらのカミソリに似ているといえば似てるかもと感じました。
でもそれって、「カミソリ」の説明にはなっても「キツネ」の説明にはなってなくね?ちょっと腑に落ちなくて調べてみると、「キツネ」部分には諸説あるらしい。
じっさい、ネットでは諸説紛々。参考文献とかわからない記事が多いのでここで引用はしませんが、腰を据えて調べてみると面白いかも。「キツネノ」にかぎらず「カラスノ」とか「スズメノ」とか「イヌ」とか動物名を冠した植物名というのも奥が深そうです。
それはともかく、「キツネノカミソリ」に関しては、この印象的な花抜きで、葉っぱだけから命名されることはないと思うんですよね。素人考えですけど。
春から夏にかけてなんて、ありとあらゆる形の緑の葉で埋め尽くされている季節。剃刀を思わせると言えばそうだけど、それだけで特別に注意を惹く要素があるとも思えない。
やっぱり狐あるいは狐火を思わせるオレンジの花への関心がまずはじめにあって、あれは狐に関係あるんじゃないかと結び付けられ、じゃああの狐色の花は、カミソリのような葉で冬毛を剃って、それを花に咲かせたんじゃないか、みたいな流れだったんじゃないかなあ…なーんて妄想してみたり。
静かな哀愁を秘めた美しい花でした。お盆の時期に相応しい。