参政党について、ひとつだけ

現行の日本国憲法では、

 

(天皇の地位と主権在民)

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

という定めがまずあって、日本の主権は日本国民にあることが明記されている(憲法前文にも「ここに主権が国民に存することを宣言し」と謳われている)。

ところが、令和7年5月に参政党が公表した新日本憲法構想案では

 

(天皇)

第一条 日本は、天皇のしらす君民一体の国家である。

2 天皇は、国の祭祀を主宰し、国民を統合する。

3 天皇は、国民の幸せを祈る神聖な存在として侵してはならない。

※憲法案の原文には脚注がついていますがこの引用では省略しています。↑のリンク先でご確認ください。

 

とされていて、国民が主権を有することが明記されていない。

 

第四条 国は、主権を有し、独立して自ら決定する権限を有する。

 

の「主権」は憲法案文にも特に脚注がついていないので一般的な解釈をすると「その国家自身によるほか、他の意思に支配されない、国家統治の権力」(岩波国語辞典第4版)のことになるわけだけど、その国家統治の権力を誰が持つのかが重要で、法治国家である以上憲法に定めるべき最重要なことだろう。

なのに主権が「日本国民にある」ということが明記されず、ましてや「天皇は~神聖な存在として侵してはならない」として、天皇が国民の意思が及ばない存在として位置づけられていることは、私には到底同意できるものではない。

「日本人ファースト」と言いながら、日本国民の総意より上に置くのか?

ちなみに、自民党の憲法改正案でさえ、

 

前文で「(前略)国民主権の下~(後略)」と謳っているし、

 

第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国および日本国民の統合の象徴であって、その地位は、主権の存する国民の総意に基づく。

 

として、第1条で主権は国民にあることも、天皇の地位も国民の総意に基づくものだいうことも明記しているのだ。

 

既存の主な政党の憲法に対するスタンスを見ても、参政党の憲法案は次元が異なる。

www3.nhk.or.jp

 

私は基本的には護憲派だけど、自衛隊の位置づけや国防のあり方とか、緊急事態条項をどうするとか、あるいはプライバシー権などの新しい権利を規定すべきかとか、様々な議論はあっていいし、あるべきだと思う。

でも、国の在り方、進む道を決めるのは国民の総意だということ、そして天皇は神聖な存在ではなく私たちと同じ人間なんだ、て認識は、国民自身が戦いで自ら勝ち取ったものではないけど、多大な犠牲を払った上で見つけた宝物だと思う。

 

それを手放す案をもってくる党には、何も委ねたくはない。

 

 

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