青空に強風、早春の日差し
水面には、吹き散らされた河津桜の花びら、そして
乱れまくりのパンクヘア軍団
このキンクロハジログループの男女比は♂(白黒で冠羽が長い方)が多めというぐらいですが
合流した先の群れは♂ばっか。前々から♂が多いなとは感じていたけど…
たぶん、昨晩「べらぼう」を観ていて、「そういや江戸時代の江戸は男性比率が圧倒的に高かったんだよな…」と思い出したせいもあるのだろう。正確に知りたくなって数えてみた。
♂17、♀4
女性比率2割切ってる…
いやいやいやいや、カモは♂比率高めだって聞いたことあるけどさ、さすがにここまで違うのは何か理由があるんじゃ、たぶんこの小さい沼とは別に大きな池とか湖とかにベースキャンプみたいのがあって、そこから♂中心の小グループが出張してくるとかじゃないの??と慌てて調べてみたところ、
(1) 孵化するヒナの性別はほぼ1:1なのだがメスの方が死にやすい傾向があり、オス比率が高まる方向に働く。死にやすい理由としては、①群れの中でメスの序列が低いため餌場が得にくく栄養不足になりやすい。早期につがいを形成できればメスの序列も上がるがつがい形成の遅い種のメスはそれも期待できない*1 確かに、キンクロはあまりカップルぽい行動を見かけない気するもんな…比率的にたいへんな争奪戦になるはずなのにアピール合戦も見た覚えがない。つがい形成が遅いのだろう。端からやる気なくて、帰る途中や繁殖地帰ってから相手探すつもりの子もいるのかな。
(2) 調査地点によって雌雄比率にばらつきがある。キンクロに限らないけど、メス比率が高い調査地点もあれば、オス比率が高い地点もある。傾向としては緯度経度と相関があるようだけど、同じ緯度経度でも地点によって比率が大きく異なるケースもある。*2
というのはあるようだ。つまり、オスの個体数が多い傾向はあるものの、私が観察する場所でオスが8割だからといって、全体比率でもオス8割とは限らない。他のどこかにもっと♀がたくさんいるかもしれないわけだ。さすがに8:2はあんまりだと思ってたので少し安心した…(実際、全体としてはどのくらいの比率なのだろうか)
とはいえ、近縁のスズガモやホシハジロも併せたハジロ類が激減しているというそもそもの問題もあるし*3楽観はできないよなあ…
ここまで生き抜くのがたいへんなのは知ってるつもりだったけど、メス特有の困難さがあるのを知ると、また違った感慨がある。すげーヤツだったんだな。無事故郷に帰って子育てできますように。