【閲覧注意:猛禽の捕食場面あり】鷹と鳩

あちこち春探ししてたんで前回からだいぶ日にちが空いてしまったけど、ここのとこ気になってるダイサギのねぐらのある公園へ。

 

ダイサギは誰もおらず、アオサギ1羽だけがぽつんと池の隅にたたずんでいた。

 

 

うむむまだ戻ってきてないのか、それとももう、どこかに移動してしまったのか。わからないので日没まで待ってみることにして、持ってきた本をベンチで読んだり、ふらふらと園内を歩き回ったりを繰り返す。この日は暖かくて、どちらもまったく苦にならなかった。

 

ハト?いやしかし、白すぎる…

 

これは…目が大きすぎる。

ふだんよく見るドバトやキジバトとは明らかに顔が違う。もちろん天然記念物で埼玉県民の鳥でもあるシラコバトとも。

 

ペットの鳩が逃げ出したものかもしれない。帰ったら調べてみるか、と思いながら、散策を続ける。

その後は特別探したりはしなかったけど、一度、真っ白い羽根が樹上で動くのを見かけて、ああまだいるんだなと思った覚えがある。

 

 

そろそろ日も傾いてきた頃。ダイサギさん全然帰って来ないなーなどと思いながらベンチで本を読んでいると、バサバサっという音と共に、灰色の塊が目の前に降ってきた。

翼を広げた姿勢、すぐ近くにはカラスもいて、「ケガしたハト??」と一瞬思ったのですが、それにしては大きすぎる。

 

もしかして……ケガしたオオタカ!?

 

 

確かに、オオタカだった。ケガ?いや…

ていうかその翼の下の白いのは…この真っ白さは…

 

 

さかんに羽をむしっている周りを、2羽連れのカラスが

つけ狙っているのだった。

この時点ではまだハトは絶命していなくて、ちょっかいかけてくるカラスを追い払おうとオオタカが鈎爪を緩めた隙に、飛べない体を引きずって逃げ出した。もう1羽のカラスとオオタカがすぐ追いかけ、タッチの差でオオタカがふたたび獲物を捕まえていた。さすがの瞬発力だけど、危うく横取りされるところだった。

 

なおも近くを徘徊し隙をうかがうカラスに辟易したのか、近くの藪に移動。確かにここなら、飛べなきゃ逃げられないし、カラスたちも、さっきのような連携プレイは難しい。

カラスたちも追ってきて竹藪の上の方から見下ろしていたけど、しばらくするとあきらめたらしく去っていった。ハトも完全に絶命していて(むしろホッとした)、オオタカも落ち着いて食事を始めた。

 

 

調べてみると、あの白いハトはやはり、ジュズカケバトの白変種、ギンバトという飼育種だったようだ。ワカケホンセイインコやガビチョウのように、野生化して定着しているという話は聞かないので、やはり飼鳥がかご抜けした可能性が一番高い。飼育下にあったとすれば、天敵についての知識も危険を教え合う仲間もないはずで、捕まるリスクは他のハトたちに比べて高かったかもしれない。

 

 

かわいそう、というのとは違うけど、野生の世界で生きてこなかった生き物の最期の姿が、何だか自分自身と重なって、なかなか頭を離れなかった。身体能力も危機察知能力も極めて低い私が、これまで、他者の肉食って生きて来れたのは、たまたま人間に生まれたからに過ぎないのだ。それがいつまでも続くものかも、わからないことだが。

 

 

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