これは何のパーティだ?立春のダイサギ

穏やかに晴れた立春の土曜日。こんな日は、やはり春を探しに。というわけで、梅を観にいったのですが

 

 

帰り道、わりとよく行く小さな沼に立ち寄ってみました。

 

 

まず視界に入ってきたのは1羽のダイサギ。カモ類やオオバンが多い沼だけど、サギもよく見かけるスポットです。

お、いるな、と思いながら、沼の正面に回り込む。

 

あ、あれ?なんか多くね?

 

な、なんじゃこりゃ

数えてみると20羽くらいいる。この沼は何度も来てるけど、サギ類はせいぜい2,3羽。それもお互い我関せず、沼の中や小島の樹上で超然とたたずんでることがほとんどで、これほど多く、そして密になってるのは見たことがなかった。

様子もいつもと違っていて、餌を探してるようでもないのに、狭い沼をあちこち飛び回ったり。

あ、この方は獲物くわえてらっしゃいますね

 

頭から水をかぶってる奴もいる。

そしてゲエゲエ、ガアガアという感じの鳴き声。実は、鳴き声を聞いたの初めてで、ネットで調べてみると、縄張り争いか繁殖のときぐらいしか鳴かないんだとか。

でも縄張り云々をいうには密すぎるし、追い払い・追い払われている様子もない。繁殖期はまだ先だし、写真でみた求愛ディスプレイ行動はもっと派手だから違うだろうし。落ち着かなく忙しないんだけど、縄張り争いのギスギスした感じや求愛の必死さは感じられないのだ。なんというか…

 

もしかして、ハイになってる?

 

 

これはいったいどういうことなのか。なんでいきなり(といってもしばらく来てなかったのでいつからこうなったのかはわからないけど)、サギが大挙してパーティやってるのか?

サギ類は餌をとる昼間は個別に行動します。だから散歩していて見かけるときは群れずに単独でいることが多いのですが、夜のねぐらでは集団を形成しているそうです。ということは、この20羽はねぐらを形成する群れで、どこか別の場所から移動してきたばかりなのではないか?

ダイサギのねぐらは水辺に近くて、大きな木のある林など。

開発などで林がなくなったり餌場である水辺の条件が悪くなったり、そこまでいかなくても池沼や河川の整備事業などで一時的に住みづらくなったグループが、新たな住処を求めて引っ越す、ということはあるでしょう。

そうだとすると、ここは新たなねぐら。

ふだん見かける姿はキホン餌をとるための、いわば勤務中の姿。ねぐらにいる今は、帰宅後のリラックス&コミュニケーションタイムなのかも?

時間的にはまだ2時くらいだけど、元のねぐらを放棄して新しい場所を探していたとすれば、ここにしよーぜ!と決まってすぐの頃は落ち着かなくてバタバタしたり、昼から宴会になるのもまあわかる。珍しく鳴き声をあげていたのも、繁殖や縄張り争いに匹敵する興奮状態にあるからなのでしょうか。

 

 

翌々日、気になって再訪。

道路ひとつ挟んで川が流れている。土手をたどって沼に近づくと、川べりにぽつんと1羽、また1羽とたたずみ、沼のちょうど向かい辺りまでくると、5,6羽まとまっていた。この距離の取り方も、通常よりは密ですね。

 

 

沼の方に行ってみると、こちらを数えてみると12,3羽。合計すれば一昨日とおおむね同数ということになる。

 

あれ、ちゃっかりアオサギさんも交じってるぞ。

 

気にする様子はない。異なる種のサギが群れに交じることもあるそうです。

 

全員がじっとしてるわけではありませんが

一昨日のようにばしゃばしゃ水をはねらかしたり、頭から潜ったりする奴はおらず、少し落ち着いた感じがする。たまたまかもしれませんが。

 

真面目に餌探しをしている者も、一昨日より多い。

 

 

はたしてこのまま定着するのか。あるいはまたどこかへ旅立ってしまうのか、サギ類の群れをこれほど近くで観察できたことはないので(巨大な調整池では見たことあるけど、遠すぎて豆粒みたいにしか見えない)、ちょっと期待。でも、今は遠出しないで昼間っからこの沼や近くでぐだってるけど、これだけの数に対する餌場としてはちょっと手狭な感じなので、昼間はもっと遠征するようになるのかな。

そもそも本当にねぐらとして使われているのかは、朝夕の様子を確認しないとわからないので、近いうちに時間を変えて行ってみたいと思います。

 

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