7月2日(土)。夕方から北本自然観察公園にホタルを観に行ってきました。
ホタルがたくさんいるというスポット。
「高尾の池」の裏手にある「あずまや」から、西の「一夜堤」に向かう小道は片側が崖のようになっていて、崖下に沿って小さな川が流れている。川と言っても水量は少なく、流れているのかいないのかもよくわからない感じなのですが、ホタルはここに集中しているらしい。これまでも何度となく通っている道だけど、そうか…ここにいるのかー
公園入口でセンターの方がホタル観察に当たっての注意事項(光はNG、ホタル捕獲・持ち帰りNG等)などをガイドして下さるのでそれを聞いて、園内をぶらぶらしながら暗くなるのを待つ。
待ってるときに限って、なかなか暗くならない。
日没から30分ほど経った19時半頃。まだ少し明るさは残っていたけど待ちきれず、ホタルスポットに移動。
入口で、何かの拍子にうっかり光らないよう、念のためスマホの電源を切り、そろそろとホタルルートを辿っていく。ホタル最盛期に向かう土曜日だということもあって、子供連れなどで大賑わい。密にならないようにというのも土台無理な話で、ぞろぞろと連なって進む。
道すがら、お父さん(たぶん)が子どもに、
「なぜ光るかわかる?友だちに、ぼくここにいるよって教えてるんだよ」
とか解説してるのが聞こえてきて、フフってなる。おともだち…難しいっすよね、説明。
やがて、
「あっ、あそこいた!」
「ほら光ってる!」
などとあちこちで声が聞こえはじめる。
…が、見えません。
近くでしゃがんでる子が指さす先を目を凝らして見ても、どこも光ってない…私の目では捉えられないのか?とちょっと焦りましたが、しばらくすると暗さが増したせいかホタルたちが調子上げてきたせいか、あちこちでキラリ、キラリと煌めくものが見えてくる。光っては暗く、暗くなっては光る。呼吸するように。
よ、よかった見えて…!(この安堵と不安の行ったり来たり、バラバラとあっちこっちで点滅する不規則さは、緑内障の視野検査に似ている)
そして、最初は葉陰かどこかで静止して明滅してるだけだったのに、幾つかの光が川の水面の上の辺りをスイッ、スイッと動き始める。
ときにはキュッとした動きで線を描くように残像を残し、ときにはふわ~っと漂うように。姿はもちろん見えないけど、その不規則な動きに、生きた虫なんだな~と改めて感じる。子供の頃、山の近くで見たことのあるホタルの、まるく弧を描くような飛び方とは少し違う感じ(後で調べてみると、ここのヘイケボタルは直線的な動き、ゲンジボタルは円を描くような動きをするのだそうだから、あれはゲンジボタルだったのだろう。生息場所もヘイケボタルは水の流れのすくない水田や池、ゲンジボタルは清流だそうだから、その点も符合するし。)。
ホタルたちがいる川や崖と人間用の通路は柵で仕切られているので、基本的には間近で姿を見ることはできないのですが、一度、こっちの方に漂ってきた子がスウッと減光してお尻に光がおさまるところが見えました。うん、昆虫なんだ…
それにしても、写真で見るホタルの光は黄緑色だけど、目の前の光は白く見えるぞ。ホタルの種類の違いによるのか?と思ったけど、帰宅して調べてみるとヘイケボタルもゲンジボタルも光は黄緑色だという。どうやら、暗い中だしホタルの光も微弱なので、目が光の色を認識できなくて白く見えるらしい。暗闇の中では明暗しかわからないというあの仕組みですね。こんなにはっきり見えてるような気がするのにな~
帰り道。ホタルスポットの外のひらけた草地にも所々、ぽつり、ぽつりと光が宿っている。初めて見るはずなのに、たまらなく懐かしい光景。
夏は、夜。
※デジカメ持っていったけど、とてもこの光景を撮れるとは思えなかったしAF補助光を切っても液晶の光が漏れたりしても困るので今回は自重。練習&リハーサルしてから挑戦してみたいと思います。