「堅白」の意味するものは~呪術廻戦第137話

偽夏油に逃げられ、取り残された虎杖たち…で始まるのかと思いきや、いきなりカラー表紙の乙骨で新章突入と相成った今号。見どころは満載で次週がとにかく気になる気になる!という、久方ぶりの週刊少年漫画のワクワク感を味わっておりますが、なかでも気になったのがサブタイトル「堅白」。

 

 

今回調べて初めて知りましたが、タイトルの「堅白」は「堅白同異(異同)」(詭弁を弄すること)という故事成語が基になっているようです。

 

 

詭弁、と言われればまず思い当たるのが、ラストに出てきた通達5か条。これまで一貫して低劣で陰謀好きな存在として描かれてきた「上」(今回ゼーレ過ぎてワロタ)が、五条封印を好機として、五条と夜蛾に濡れ衣を着せ、自分たちに都合のよいように事態を収拾しようとするコジツケである、ように見えます。

 

しかし戦国時代の趙の思想家・公孫龍が説いたという「堅白同異」は、

以下「コトバンク「堅白同異」の精選版 日本国語大辞典の解説」より引用---

 

「堅く白い石は二であって一ではない。なぜなら、目で見たときは白いことは分かるが堅いことは分からない。手で触れたときは堅いことが分かるだけで色のことは分からない。ゆえに堅と白とは二であって、同一のものではない」

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(引用終わり)

 

というもの。それを踏まえると、タイトルはまた別の意味を帯びているようにも思えます(「同異」まで言わず、「堅白」で止めている、というのも引っかかるし)。

虎杖や五条ら高専メンバーたちの視点で見れば全く不当な言いがかりではあるのですが、確かにおこった出来事を見れば、

 

1 夏油の姿が目撃されている=夏油は生きている

 ⇒去年の百鬼夜行で五条は夏油に止めを刺したと見せかけて密かに逃がした。

 

という推論は極めて自然です。更に、

 

2 五条は現在の呪術界の在り方に不満を持ち、変えようとしていた(普段の態度しかり、本来秘匿死刑になるはずの乙骨や虎杖の処遇しかり)。夜蛾学長も五条に同調していた(乙骨や虎杖を受け容れた)。

⇒夏油と組んで、現体制をひっくり返そうとしたのではないか

 

3 五条が夏油によって封印された

⇒五条の目論見と夏油の目論見に乖離があったか、転覆後の世界で主導権を握りたい夏油が、力で優る五条を裏切って封印したのではないか

 

と考えることもまた、不自然ではない。

五条という言い出しっぺ兼安全装置がいなくなった以上、虎杖の執行猶予が取り消されるのも自然な成り行きだ。狗巻の腕も虎杖が落としたとか言われてるから、宿儺の半径140mクッキングもバレてるみたいだし…

 

もちろん、渋谷事変に立ち会った人々がどれだけ回収され、証言が聞けているのかもわからんので「上」がどこまで真相を知っているかも不明ですが、見方によってはあの通達はまったくもって真っ当なもの。堅白ということばは、物事をどうとらえるか、捉え方は一様ではない、ということを示しているようでもあります。おこったことは一つなんだけど、そのどこを見るか、どう解釈するかは一通りではないのだ。まあ実際には内通者のこともあるし、真相をわかっていながら偽夏油を甘く見て、五条と虎杖(=宿儺15/20)を厄介払いしようとしてる勢力は間違いなくいると思いますけど。

 

 

そしてもうひとつ、主人公である虎杖。

彼もまた両面宿儺というもう一つの魂を一つの身体に併せ持っている。虎杖や宿儺、あるいはどちらかに近しい者たちにとっては肉体を共有している「二つの存在」だけれど、そうでない圧倒的多数の目から見れば、分けて考えることのできない「一つの存在」に過ぎないなのだ。「堅くて白い石」がそうであるように。

 

 

そう考えると、読み始めた頃からずっと宿儺が、あの邪悪なカッコよさが一番好きな私ではありますが、虎杖の置かれた状況が悲しすぎて、何とも言えない気持ちになる。何という呪いなんだ…

 

なーんて、web辞書調べながらとりとめもなく考えたりしてましたが、それにしても。

先週の引きから、偽夏油は逃げたとして、虎杖やお兄ちゃんやその他の面子はどうなったんだ狗巻は片腕切断で生きてるとして真希さんは…伏黒は無事としても釘崎は、学長や家入さんは…??どうなったんだってばよ~早く教えてくれ~

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