吉野駆け足紀行

ついに、行ってきました吉野山。

 

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平日ながらシーズン真っ盛りだけあって、吉野行きの特急は満席。そこから降り立った人々がぞろぞろと山への道へ連なって行く。

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※ロープウェイの表示もあるけど、ロープウェイはだいぶ長いこと運休中です。

 昨日開花状況を見たときは満開だったはずが、かなり散り始めている。昨日泊まった人なのか、「昨日の夜でだいぶ散ったなあ」という声も聞こえる。うーん一足遅かったか…他の用事との兼ね合いもあって日程的に今日明日以外の選択肢はほぼ無かったから仕方ないけど。

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枝垂れ系は元気。記念写真スポットになっていた。

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たくさんある神社仏閣も、時間の都合でほとんどスルーしたのですが、金峯山寺蔵王堂だけは、本尊の蔵王権現が特別公開されているというので寄ってみました。

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蔵王権現はほとんど同じように見える青く巨大な三体の立像で、その実体は釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩なのですが、どうしてこうなったかというと… 金峯山寺の開祖である役行者の修行中に釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩がそれぞれ現れたところ、役行者は「その御姿では(優しすぎて)この国の衆生は救えません」と次々にダメ出し、最後に現れたのがこの恐ろしい姿だったとんですと。救ってくださる相手にあれこれダメ出しする方もする方だけど、なるほどとばかりに姿を変えてくる方もサービス精神旺せ…いやいや、お互い何とかして衆生を救おうとする真剣さ故ということでしょうが。 役行者はその御姿を山桜の木に刻んで奉納したため、信徒たちがこぞって蔵王権現の神木たる桜を金峯山寺に献じるようになり、やがて吉野山は桜で埋め尽くされることとなった…桜の山の始まりは宗教的な情熱だったというわけですが、じゃあ他にも数多ある有難い仏像彫った樹が御神木ですから!と言ってどんどん植樹されたのか、っていうとそういう話もあまり聞かない。やはり吉野山に自生していた山桜を愛し尊ぶ気持ちが人々に既にあったから、そういう流れになっていったのじゃないかな。

 役行者当人の像は、金峯山寺全体の入り口である黒門を入ったところのお堂にあるのと、

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蔵王堂の中にも「役行者神変大菩薩」という像がある。こちらは写真撮影「厳禁」と注書きされていました。(※この紹介ページの一番下))仏教の求道者とか菩薩とか言われて抱くイメージとはだいぶ違った妖しさがあって、讒言されたというのも、悪いけどさもありなんと思ってしまった(笑) こちらは吉水神社からの「一目千本」。秀吉が花見をしたという有名なスポットだそうで、いかにも秀吉好みな感じ(というほど秀吉を知ってるわけじゃありませんが)。もっと早い時期の方が良いのかもしれないし、写真技術の問題もあって伝わりにくいけど、現物は凄いです。

ここもカメラマン&ウーマンの大渋滞スポット。

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更に上へ向かう。山里っぽい光景に何故だかほっとする。

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展望スポットらしきところに辿り着いた。

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ここからの眺めの素晴らしさに、ここが何処かを確認するのも忘れてあっちこっち行きつ戻りつ写真を撮りまくる。

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気が付くと既に14時半を回っていた。 しかし、まだ奥千本が残っている。1.5キロ~2キロくらいだから、坂道とはいえ1時間もかからずに行けるだろうけど、帰りは?安全策をとって今日はここまでにするか…でも明日は天気も怪しいし、泊まりは奈良だからここまで2時間近くかかる。奥千本だけのために明日また来て登るのもな…日も長くなってるし、帰りは途中からバス利用もできるんだし、下の方は坂になってるだけで店も多くて街中と大差ないし、大丈夫だろう。

というわけでしばしの葛藤の末、登ってみることにしましたが、坂道をのんびり下ってくる人は多いが、同じ方向に行く人はほとんど見当たらない。心細いし、登りも結構きつくてへたり込みそうになる。引き返そうかという弱気が脳裡を駆け巡るのを、ここでキツさに負けたら後悔するぞ!と意地でも抑え込んでなんとか辿り着いた金峯神社。もはや観光というよりオリエンテーリングか、はたまた「人にはどれだけの土地がいるか」か。 神社付近はバスが乗り入れているだけあって、まだ人は沢山残っていて賑やか(おかげで写真に思いっきり人様の顔が映り込んでしまったので神社の写真は省略)。 しかしまだ旅は終わらない。西行庵がある。ここも前々から一度は行ってみたいと思っていた場所。 金峯神社から0.5キロということでしたが、途中から道がこんなになったりして(下の急斜面をチラ見しただけで腰が引ける…)、

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クラクラ。

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手すりのあるところは手すりにつかまり、なるべく崖下を見ないようにしながらそろそろと進み、ようやくたどり着いた西行庵。しかし…

あのう…桜の枝に覆われているようなのをイメージしてたんですが。 まあそれだと修行の妨げになるかもしれんしな。それにしても、その場で見ているときは気づかなかったけど、こうして写真で見ると、なんだか妖怪ハウスである。

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主は知るか、

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縁側の下。

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桜はまだ大人しい。

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眼前には、青い稜線が美しく拡がっていた。

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金峯神社前に向かう帰り道。 小学校低学年くらいの男の子が、後ろからお母さんらしき人の「待って~!走らないで~!ゆっくり~!」という声もガン無視で、狭い山道を勢いよく駆け下りていったのが、坂下の踊り場のような空地に着くなり、くるりと振り返って、後から駆けて来るもう少し小さな男の子と女の子に、「走らないで走らないで!ゆっくり!」などと叫んでいた。(笑)そのお兄さんぶった感じからすると、普段は会えない従兄弟とかだろう。

 夕暮れ迫る吉野駅付近。さようなら、またいつか。

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でろでろに疲れ果てて奈良駅近くに泊まった翌朝。当分は山という字を見るのも勘弁、という心境になっていた。

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4日後の今朝になって、ようやくふくらはぎとお尻の筋肉痛が抜けた感じです。 次はもっと余裕をもって、本当の盛りの時期か、桜の時期でないときにも来てみたい。

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